賢者の孫騎士
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のが正しい。
トムさんが漢字を欲しがるはずだ。文字数制限が魔道具の値段を跳ね上げさせている。『冷蔵』をこちらの世界の言語に置き換えると9文字必要になるから。そうなると値段の桁が2つは上る。
昨日は魔物ハンターのギルドも見学してみたが、チンピラみたいなのが多かった。依頼表も確認したが、雑魚でも結構な金額に設定されている。猪の魔物でも4人家族が半月は食べていける額が付いている。これを3〜5人で狩るとして、全員が独身男で宿暮らしとすると、かなりきつい。なるほど、一部を除いてチンピラにしかならないな。がっかりしてギルドから帰る頃には、背後でチンピラ共が山となっている。
諦めて食料品店で色々な調味料や変わった食材の調達がメインになっている。それもそろそろ終わりそうだ。お金は王都に来る途中で狩った猪の魔物の分が丸々残っている。暇なので爺ちゃんと婆ちゃんの若い頃の魔人討伐の劇でも見に行こうかと焼き鳥の包みを片手に劇場へと向かう。
「私の帽子返してよ!!」
テンプレとでも言えば良いのか、3人の男の子が白いワンピースを着た女の子の帽子をパスしあって遊んでいる。面倒事は好きではないけど、見過ごすのも気分が悪い。オレの方を向いていた子が暴投したように見せかけて念動で帽子を引き寄せる。引き寄せた帽子を適当なフォームで投げて、念動で女の子に被せる。
そこで話が済めば良かったのに、リーダー格っぽい男の子が何故か女の子に殴りかかろうとする。行儀が悪いが、焼鳥の串を咥えた状態で念動と肉体強化の合わせ技で女の子の前まで跳び、型もあったものじゃないパンチをそのまま家の壁に反らしてやる。
痛みに蹲ろうとしていた所を足払いと顎への掌底に念動で綺麗に縦に一回転させてやる。背中にかばっている女の子は殴られると思ってしゃがんでいたから見えていないだろうが、残りの男の子たちはばっちりと目撃しただろう。リーダー格の男の子は目を回していて何が起こったのか分かっていない。近くに居た男の子に焼き鳥が入った包みを投げ渡す。
「くれてやるから帰れ。まだちょっかいを出すっていうのなら、同じ目にあってみるか?」
高速で首を横に振る二人に手で追い払う仕草をするとリーダー格の男の子を引きずりながら走って逃げ出した。
「大丈夫だった?」
後ろを確認してみるとしゃがんだ状態でオレの顔を見上げている。ふむ、ここ数日で見た範囲では可愛い部類に入る顔をしている。ということは子供特有の気になる女の子にちょっかいを出しちゃうって奴だな。そんなことをしてもモテナイんだけどね。恥ずかしかろうと素直に好意を示した方がモテるぞ。まあ、お互いに素直じゃないと成立しないんだろうけどね。
「あ、ありがとう」
「いつもあんな感じなの?」
手を差し出して引っ張り起こしながら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ