賢者の孫騎士
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れではこちらが代金の一部ですね。さすがに全額は大金過ぎますからマーリン殿にお預けいたしますので」
そう言ってトムさんが金貨を1枚と銀貨が6枚と銅貨10枚ちょっと入った財布を渡される。
「ちょっとした買い物ならそれで十分大丈夫ですよ」
「……これがお金か、初めて見たな」
その言葉に婆ちゃんとトムさんが固まる。
「10歳ならセーフでしょうか?」
「ギリギリだけどね。今日気づかなかったら成人するまで気づけなかった可能性があるよ。シン、あんたもしかして街に、いや、ここに訪れる者以外の人に会ったことはあるかい?」
「(今世だと)ないよ」
トムさんと婆ちゃんが揃ってため息をつく。
「トム、悪いけど暫くの間シンを預かってくれないかい?年に何回か、社会勉強を兼ねて、そうさねぇ、2週間程度でいい。マーリンには私から説明しとくよ」
「ええ、もちろん構いませんよ。よく考えれば友達の一人も居ないことになりますから」
そういう訳で二日後、トムさんの馬車に同乗する形で王都に向かう。荷物は数日分の着替えとフード付きのローブとライトセイバーが二振り、それとブラスターもどきが一丁とトムさんに貰った財布だけだ。
正直、ライトセイバーのフォームの修行と開発が忙しくてボッチで寂しいとかそんな気持ちはなかったのだが、常識を知らないのはまずいと分かっているのでこれも勉強と言うことで楽しみにしている。
フォームの方はミッシェルさんとの訓練でシャイ・チョー、ソーレス、アタロは問題なく、シエンは体格の問題で保留中だが型は問題ない。さらにソーレスを元に発展させた見切りとカウンターのフォームとアタロを元に発展させたフォースの念動を多用する高機動のフォームの2種類を開発中だ。
移動中は最低限の常識を習いながら日課である念動の強化と魔力の練り込みを行う。正確には魔力の制御訓練なのだが、体内での循環、体外への放出、放出した魔力を再び体内へ戻すというのを繰り返す。これがこの数年で最も効率の良い制御訓練だと判断している。
実際の所、念動の力がどんどん上がっている。いずれはベイダー卿のようにモニターの先の指揮官をフォースグラップで殺したり、マスター・ヨーダのように戦闘機を持ち上げれるだけの力と射程を身に着けたいものだ。こんな視界に入る距離にいる猪の魔物の首をへし折るんじゃなくてさ。
「シン君、まさか君が!?」
「えっ、何が?」
「あの猪の魔物は君が倒したのかい!?」
「まずかった?」
「いえ、まずいというか、そんな簡単に。ハンターでも素人が手を出すと死人が出るというのに」
「あの程度で?」
あんなの突っ込んできた所をサイドステップですれ違い際に頸動脈を切ればすぐに死ぬのに。
「まさか普段
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