賢者の孫騎士
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ようなことはせずに漢字を利用することで文字数制限をカバーする。この世界ではアルファベットなんかと同じで文字がいくつか揃って初めて意味を成す。漢字なら一つの文字に意味をもたせることも可能だ。
さらに突き詰めれば自分で作り出した記号に意味を持たせれば更に短縮することが出来る。ライトセイバーも最初は『光熱刃』の三文字だったのが、クリスタルの図案にすることで一文字扱いにすることが出来た。ただし、恐ろしく時間がかかり普通に漢字で書く方が楽に済む。何せ完全に図案だけでその意味だと自分に刷り込まなければならない。漢字のテストでクリスタルの図案に見える漢字を書けば正解で、周りもそう書くのが当たり前なんだと自分すらも騙し切ることで初めて付与が成功するのだ。『トリコ』のアルティメットルーティンとほぼ同じ技だ。
おかげで消耗が激しすぎて知恵熱でぶっ倒れている。偶々来ていた商人のトムさんとメリダ婆ちゃんが呆れている。
「文字数には十分余裕があるっていうのに、何をやってるんだか。余っている文字数の使いみちもないんだってぇ」
「革命的ではありますが、一つの付与でここまで消耗してしまっては使えないでしょう。その前の独特の文様の方が世紀の発見ですよ。付与専用言語として纏めて頂ければ買い取りますよ、シン君」
「婆ちゃんに言われて簡単なのだけ纏めてあるよ」
引き出しを指差してそこにある簡易辞書と組み合わせ表を取り出してもらう。
「こっちが文様の意味。こっちが組み合わせ方。逆にすると意味が変わったり、ちょっと抜けたり、ずれたりすると意味が変わる物もあるから簡単なのしかないよ」
書きやすく、意味も単純な物を厳選しているが、どれも攻撃・防御用にしか使えない。もっと婆ちゃんの様に生活の役に立つような漢字を用意したいのだが、途端に画数の多い漢字になってしまう。おかげで冷蔵庫とか洗濯機とかがオレにしか作れない。
「おお、これは素晴らしい。メリダ様、こちらを複製させていただいてもよろしいでしょうか」
「待ちな。あんまりまずいのが広まると犯罪に使われるかもしれないからね。先に確認するよ」
「ええ、それはもちろん」
犯罪に使えそうな漢字なんてあったかな?ああ、開とかはヤバイな。錠がないからまだ安全か。
「まあ、問題はないか。ちなみにシン、犯罪に使えそうなのは?」
トムさんにペンと紙を取ってもらい『開錠』『失神』『消音空間』を書き起こす。どれもオレが使える魔法の漢字だ。3つとも説明すると使用を禁止された。当然だな、オレでもそう思うもん。
「むしろ、どんな魔法の文字が欲しいの?」
トムさんに希望を聞いて『光源』『冷蔵』『送風』『水生成』『加熱』を書く。婆ちゃんもそれ位なら良いだろうと言ってくれたので問題ない。
「そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ