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とある3年4組の卑怯者
129 極悪人(ゆるされざるもの)
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は二人を相手にしなければならなかった。
「うわっ!」
 大野が必死で抵抗するも、二人相手では殴られる多少のダメージも覚悟しなければならなかった。
「お、大野くうん!いやあっ、やめてえ!!」
 冬田は大野と取っ組み合っている二人の男子に近づき、体当たりした。そして先ほど投げつけたバケツを拾い、その男子達の頭や顔を殴った。
「冬田、サンキュー!」
「大野くうん・・・」
 冬田のアシストもあり、大野は反撃し始めた。一方、杉山とかよ子の方も杉山がかよ子の体を起こした。かよ子は杉山と手を繋いだことで赤面した。
「それじゃあ、行こうぜ!」
「おう!!」
 四人は階段を降り、校庭へと逃げた。

 藤木達はやっと校庭を出る事ができた。
「うう、ありがとう、藤木君、浜崎君・・・」
「山根、胃腸は大丈夫か?」
「ああ、少し良くなったよ・・・」
 校庭では別の山口の子分がケン太や本郷によって抑えつけられていた。
「この野郎!!」
 ブー太郎も加勢した。
「危ないことはやめるブー!!」
 山口の子分は動きを封じられた。その時、トミ子が兄の元へ駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん!」
「トミ子!怪我はないかブー?」
「うん、ブー」
「お兄ちゃん達、ありがとうブー」
 トミ子はケンタと本郷にも礼をした。
「ああ、どういたしまして」
 長山も小春と彼女を守ったまる子の姉の元へと駆け寄った。
「さくらのお姉さん、妹を助けてくれて本当にありがとうございます・・・」
「ああ、まる子のクラスの長山君ね・・・。長山君の妹だったのね・・・」
 その時、まる子も姉が心配で走り寄った。
「お姉ちゃん、大丈夫!?」
「うん、まる子、あんたも大丈夫だった!?」
「うん・・・」
 姉妹はお互いを心配し合った。
「お兄ちゃん、怖かったよ・・・!!」
 小春は兄に泣きついた。
「そうか、怖かったな・・・」
 藤木とはまじは山根を下ろして座らせた。
「はあ、はあ、すまない、迷惑をかけて・・・」
「いいんだよ・・・」
 その時、リリィが駆け寄ってきた。
「藤木君、大丈夫だったの!?」
「ああ・・・。君も無事だったみたいだね・・・」
「そうだ、花輪クンが・・・」
「花輪クン?ああ、菖蒲岡と一緒にあの親分をやっつけていたよ」
「そう、無事で安心したわ。でも怪我がないか心配だわ・・・」
「心配・・・。ああ、そうだ、笹山さんが!?」
「笹山さんがどうしたの?」
「笹山さんは僕達を堀内から守ろうとして先に行かせたんだ!今もやられているに違いない!」
「ええ!!?」

 笹山は堀内からの暴行を受け続けていた。尻をバットで殴られる。
「嫌、痛い痛い!!お願い、やめて!!」
「うるせえ!!クソ女!!テメエの精神を鍛えてやる!!」

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