第35話 孤児院と妖精
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のパエリアも美味しそうね。ねえ、あたしにも一口ちょうだい」
「えっ?」
あたしは口をあーんと開けてヨシュアに向く。それを見てヨシュアが顔を赤くした。
「わ、態々僕が食べさせなくてもランチボックスを交換すればいいんじゃ……」
「手が塞がってるから面倒だし偶にはいいじゃん。ほら早くー」
「ううっ、こっちの気も知らないで……」
最後に何を言ったのか聞こえなかったがヨシュアは観念したのかスプーンにパエリアをのせてあたしの口にそっと近づけた。
「はい、どうぞ」
「あ〜ん?」
ヨシュアが食べさせてくれたパエリアはとても美味しかった。
「う〜ん、デリシャスね。魚介類の旨味がたっぷりと感じるわ!」
「ははっ、気に入ってもらえたならよかったよ」
「じゃあ次はあたしがサンドイッチをあーんしてあげるわ」
「うえっ!?いいよ、そんな……」
「何恥ずかしがっているのよ、ほらあーん」
「むぐぐ……」
その後は二人で食べさせあいながらお弁当を完食した。
「は〜、美味しかったぁ」
「サービスで貰ったハーブティーも絶品だったね」
「うん、身体が温まって軽くなってくるっていうか……潮風も気持ちいいし何だか眠くなってきちゃった……」
「食べた直後に寝ると身体に良くないよ……って言いたいところだけど食後の昼寝も偶にはいいかもしれないね」
「うんうん……それじゃあお言葉に甘えて……え〜い」
「うわ!?エステル!?」
あたしはヨシュアの膝を枕にしてベンチに横になった。
「ちょっとエステル……今日中にはルーアン支部に向かいたいんだけど……」
「ちょっとだけいいでしょ。10分間だけ。ね?」
「はあぁ、仕方ないな……30分だけだよ」
あたしは呆れながらも優しく微笑んでくれるヨシュアに感謝してゆっくりと目を閉じた。
「ふふっ。お休み、エステル……」
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side:??
エステルたちが食後のお昼寝をしている最中、マノリア村の雑貨屋の近くで先程エステルにぶつかった銀髪の少女が雑貨屋のサティという従業員と話をしていた。さっき一緒にいた紫髪の少女はルーアンに向かった。別れてある孤児院に住む男の子を探すためだ。
「う〜ん、さっき見かけたような気はするからもしかしたら村にいるかもしれないわね」
「そっか。サンクス」
「気を付けてねー」
サティにお礼を言った後銀髪の少女は探していた男の子がマノリア村にいることを確信して辺りを探し始めた。すると風車の近くにあったベンチにさっきぶつかった二人がお昼寝をしていた。
「あ、さっきの遊撃士カップル……」
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