第35話 孤児院と妖精
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くちゃね。そう思ってあたしは再び夢の世界に入っていった。
「ふわ〜、良く寝た〜……」
「おはよう、エステル。よく眠れたみたいだね」
「うん。あれ?アガットは?」
「彼はもう出発しているよ、急ぎの用事があったみたいだね」
「何よ、昨日協力して魔獣退治したのに挨拶もしないで行っちゃうなんて薄情な奴ね」
「まあまあ。それよりもそろそろ出発しよう、昼過ぎには峠を越えたいからね」
「ん、分かったわ」
翌朝になりあたしとヨシュアは関所の隊長さんに挨拶をして関所を後にしてクローネ山道を降りて行った。
「わあぁ……見てみて、ヨシュア!海よ、海!」
山道を降りるとあたしの目の前に青い海が広がっていた。
「青くてキラキラしてめちゃくちゃ広いわね〜!それに潮騒の音と一面に漂う潮の香り……うーん、これぞまさに海って感じよね」
「エステルは海を見るのは初めてなの?」
「昔、父さんと定期船に乗った時チラッと見た記憶はあるんだけどこうやって近くで見たのは初めてかもしれない」
「そっか、僕も海は久しぶりだな……」
その後は暫く海を眺めてからあたしたちはマノリア開道を進んでいった。途中で寄った灯台で魔獣が灯台に入り込んで困っていたお爺さんを助けてから先を進むとようやく私たちはマノリア村にたどり着くことが出来た。
「は〜っ。やっと人里についたわね」
辺りを見回してみると白い花があちこちに咲いていた。綺麗だけど何の花かしら?
「あの白い花は木蓮の一種だね」
「ふ〜ん、綺麗よね〜」
海から漂ってくる潮の香りと白い花の香りが混じってとてもいい匂いがするわ。
「丁度お昼だし休憩がてらお昼にしない?」
「いいけど何か手持ちの食糧はあったかな?」
「あ、ちょっとタンマ」
あたしはバックから食べ物を出そうとするヨシュアに待ったをかける。
「どうしたの?」
「どうせならこの村の名物料理でも食べない?折角旅をしてるんだからさ」
「そうだね、なら宿酒場を探そうか」
「オッケー」
あたしたちはマノリア村にあった白の木蓮寧でお弁当を購入して亭主さんに教えてもらった町はずれにある風車の傍でお昼を取ることにした。
「ヨシュア、ほらほら早く!」
「ちょっとエステル、前を向いて歩かないと……」
お弁当を購入して少し浮かれ気分だったあたしは白の木蓮寧を出た瞬間に誰かとぶつかってしまった。
「きゃあ!?」
「おっと……」
「フィルさん!?」
あたしは尻もちをついてしまったがぶつかった銀髪の女の子は体制を立て直して倒れるのを防いでいた。その女の子の近くで紫色の髪をした女の子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ