第十二幕その四
[8]前話 [2]次話
「今からお祭りに」
「そうだよ、一緒に行こうね」
トトがそのボタンに応えます。
「皆で」
「うん、わかったよ」
「あっ、ボタンも今は」
恵梨香がここで気付きました、その気付いたことはといいますと。
「わからない、じゃないわ」
「僕もそうした時があるよ」
「わかる時がなのね」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「今みたいにね」
「そうなのね」
「僕はわからないことはわかるって言ってね」
「わかることはなのね」
「わかるって言うよ」
「正直になの」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そうしているから」
「だからなのね」
「今はわかるって言ったんだ」
「よくわかったわ、私も」
恵梨香はにこりと笑ってボタンに答えました。
「そのことは」
「それは何よりだよ」
「そうよね」
「うん、じゃあね」
「今からね」
「お祭りに行こう」
「そうしましょう」
最後にドロシーが言ってでした、皆でお祭りに行く為に飛行船を真ん中の山へとやりました。
そして山に入るとです、本土の生きものや妖怪、沖縄や北海道の彼等に鳥さん達もいました。
その皆を見てです、トトは尻尾を横にぱたぱたと振って言いました。
「皆いるね」
「この通りね」
鳥さんの代表が応えました。
「集まったよ」
「そうなんだね」
「他の皆もね」
「さて、今日は」
ここで言ったのは赤鬼でした。
「皆で楽しくやろうか」
「歌って踊ってだね」
「その通りだよ」
赤鬼は笑ってトトにも答えました。
「皆でな」
「踊りはどんなのかな」
「盆踊りだよ」
「日本のだね」
「そう、それを踊るのだよ」
「はじめて見るね」
盆踊りはとです、トトは言いました。
「どんなのかな」
「それは視てのお楽しみだな、そして酒も料理もある」
「お料理も」
「そう、そちらも楽しめるぞ」
「色々あるぞ」
青鬼も陽気に笑って言ってきました。
「焼き鳥にとうもろこし、焼きそばにたこ焼き、お好み焼きとな」
「あっ、全部出店の食べものね」
恵梨香がそうしたお料理の名前を聞いて言いました。
「全部わかるね」
「おっ、日本人だからわかるか」
「あとたい焼きとりんご飴、水飴にベビーカステラ」
「クレープもあるぞ」
「何でもあるのね」
「そうだ、お嬢ちゃんが食べたいものは全部な」
それこそというのです。
「あるぞ」
「それは何よりですね」
「そう、そしてお酒もあるしな」
青鬼は満面の笑顔で言うのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ