第十二幕その二
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「オズマにプレゼントしてもらったの」
「そうなんですか」
「そうした浴衣ですか」
「何か奇麗ですね」
「一目見ただけでうっとりしました」
「凄くいい浴衣ですね」
「私のお気に入りの浴衣の一つなの」
実際にと答えたドロシーでした。
「だからね」
「これからですね」
「その浴衣を着られて」
「お祭りに出て」
「そして皆で、ですね」
「楽しまれるんですね」
「そうよ、まさか今日この浴衣を着るとは思わなかったけれど」
それでもというのです。
「私凄く楽しみだわ」
「そうですよね」
「じゃあ皆で行きましょう」
「今教授とカエルマンさんとボタンがお風呂ですけれど」
「皆の身だしなみが終わったら」
「それで」
「そうしましょう、ただね」
ここでドロシーはオジョを見ました、見れば服はちゃんと奇麗にしてアイロンもかけて帽子は新品でブーツもピカピカでお風呂上がりのいい香りもしますが。
いつものマンチキンの服なのでドロシーは少し残念なお顔でオジョに対してこう言うのでした。
「貴方もなのね」
「うん、やっぱり僕の服はね」
「マンチキンの服なの」
「この服が一番好きだし着やすいから」
それでというのです。
「この服にしたんだ」
「いつものマンチキンの服ね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「見ての通りね」
「そうなのね」
「うん、それとね」
「それと?」
「服、いい香りがするけれど」
「ええ、さっき香水をかけておいたの」
ドロシーはオジョににこりと笑って答えました。
「貴方の服にアイロンをかけたけれど」
「有り難うね」
「その時にね」
「香水をかけてくれたんだ」
「糊も利かせて」
それと一緒にというのです。
「薔薇の香水もかけて」
「それでなんだ」
「いい香りがするのよ」
「成程ね、そのことも有り難うね」
「どういたしまして」
「そういえばドロシ―さんいつもアイロンかけられますね」
恵梨香はドロシ―にそのアイロンのことを聞きました。
「靴も磨いて帽子も手入れして」
「ええ、そうしてるでしょ」
「凄く早い手順で」
「そうしたことは得意だし好きなの」
「そうなんですか」
「いつも誰が一番速く確かに出来るかってね」
そのアイロンがけをというのです。
「トロットやベッツイ達と競争してるし」
「遊びで、ですか」
「オズマも入ってね」
そしてというのです。
「やってるから。靴磨きもよ」
「王女様なのに」
「今は王女様でも元は違うでしょ」
カンサスの女の子でした。
「そうだったでしょ」
「そう言われますと」
「だからね」
「普通に。ですか」
「そうしたことも出来るし得意なの」
そしてすることも好きだというのです。
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