暁 〜小説投稿サイト〜
孤独と絶望と闇
『夏の花は向日葵だけじゃない』
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私には悪い癖がある
過去の出来事をいつまでも引き摺ってしまう、そんな癖。
「もう忘れた」
何回この嘘をついただろう
自分にも周りの人たちにも何回も嘘をついた
嘘ついて、隠して、また数が増えて
「忘れたい」 「忘れたくない」 を繰り返して
結局忘れられなくて今日も1人で泣いている


大好きだったんだ
本当に大好きだった
今も忘れられない
忘れなきゃいけないのに
覚えたいちゃいけないのに
消さなきゃいけないのに
消したくても消さない
それは多分、
“忘れたくない”
そう、心のどこかで思っているから。

我慢して
苦しんで
辛くて
悲しくて
切なくて

辛いことだとわかっているのに
どうして誰かを好きになるのだろう
それは多分、
恋をしていれば世界が輝いて見えるから
好きな人が目の前にいるだけで嫌なことも吹き飛ぶから
誰かに恋をするのは逃げなのかもしれない
ひどい言い方をすれば、現実逃避。

恋をするだけで
普通だった日常が特別になる。
いつものつまらない授業も楽しく感じる。
何もなかった毎日が宝物になる。
一瞬一瞬が大切に思える。

「忘れた」 なんて真っ赤な嘘。
本当は忘れられなくて、
今でもふと思い出して泣いている
あの日々が恋しくて、戻りたくて、でも叶わなくて、
ただ泣くことしかできない

好きな人を失った後の世界は
色がない
音がない
輝きもない
匂いも
暖かさも
全てがゼロになる
意味もなく溢れ出る涙。
息ができなくなるほど傷む胸。
笑うことができなくなる。
1人になるのが怖くなる
不安になる。
そんな感情を消そうとして、嘘をつく。
記憶をかき消すために嘘をつく。
何回も何回も自分に嘘を言い聞かせる。
でも嘘をつくたびに、自分がどれだけ好きだったかを思い出させられる。

新しく好きな人ができて
新しい関係が生まれても
心の隅にはいつも
あの人がいる。
脳裏に焼き付いて離れない、幸せだった日々の記憶。

仕草
香り
笑顔

夢に出てきた日の朝は
なぜか必ず泣いている
「今もまだ好き」
それを認めたくなくて
今度は感情を押し殺す
笑顔を作るようになる
本音を殺すようになる。

思い通りにいかなくて
空回りして
後悔して
後悔が増えて
苦しくて
でもやっぱり、
1人で泣くしかない。

世間はこんな状態の人を
「病んでる人」
と言う。
とても響きが悪い言葉だと思う。
この言い方はその人を見下してるように見える。
好きな人を失うことはそれくらい大きなこと。
世界が360度変わってしまう。
心の支えや生きがいがなくなるのと同じ。
情緒不安定にもなる。
突然泣いて
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