暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第255話 思い出の場所
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う。それが先立ってしまったユウキ達のギルドの人達への何よりの土産になる。そう、信じているから。
 

 そして、夢見心地の浮遊感の中、あっという間に授業時間は終わった。

 終わると同時にクラスメイトの皆がわっ! と駆け寄ってきたのは本当にとても驚いた。
 どうやら、皆も情感たっぷりの朗読に感動した様で、ユウキとランの話題一色になったみたいだった。

 中には『ぜーーったいオレ、あそこで詰まってるよ』『あの漢字の読み方 正直判らなかったー』と、ちょっぴり 『もうちょっと勉強に力入れようね?』 と思う男子たちの言葉があり、更に笑いを誘っていた。



 そして最初の約束に 学校内を案内すると言うのがあり、それを果たした時にはもうすっかり空はオレンジ色に染まりかけていたんだ。

『本当に楽しかったよ。……今日は本当にありがとう。2人とも』
『はい。現実の世界でこんなに穏やかになれた事も、胸が躍る気持ちになれた事も……本当に久しぶりでした。ありがとうございます。アスナさん。レイナさん』

 丁度ベンチに腰掛けた時に、不意に2人からの感謝の想いを、真剣なそれを訊いて、反射的に明日奈も玲奈も明るい声で答えた。

「これくらいお安い御用だよ! 先生も毎日きていいって言ってたからさ」
「そうそうっ! 楽しくって疲れちゃったーって言っても連れていくからね? 休んじゃ駄目だよ?」

 自分達が毎日、こんなに幸せで本当に良いんだろうか、とついつい頭の中で思ってしまう。思う度に、笑顔で迎えてくれた皆の顔も同時に浮かぶ。『今まで頑張ってきたご褒美だと思って』と口をそろえて言ってくれている。
 それを思い浮かべる度に、ランとユウキはこれからも前を向いて頑張っていこうと心から想えるんだ。それに、まだ終わった訳じゃないんだから。……まだまだ、()は自分達の傍にいるから。最後の最後まで気は抜けないから。

「それにねー、私今決めたんだ!」
「ん? 何が?」
『『え??』』

 玲奈は、さっと立ち上がって宣言をする。ユウキやランは勿論の事、明日奈も何の事か判らなかったから首を傾げた。玲奈はくるりと振り向くと 笑顔を見せながら言う。

「今日はとことんまで皆とあそぼーっ! って思ってるの! 皆ともっともっと一緒にいたいからさ。だから 何処か他に見たい所とか、行きたい所無いかな? あー、流石に校長室〜とかは無理だけどさ。何処へでも行くよー」

 玲奈は指をぴんっ と立ててそう言うと、明日奈も同じようなことを考えていたのだろう。同じく笑顔になって立ち上がる。

「そうだね。全速全身。何処へでも行くよ!」

 明日奈も玲奈ものってこれた。
 その事が嬉しくて嬉しくて、涙が出そうになるのをどうにか笑い声だけで誤魔化した後
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