第二章
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「パジャマは違うわよ」
「じゃあ別の理由ね」
「ベッドかお布団か」
「そういうのになるわね」
「ベッドは奇麗だし寝心地いいし」
「お布団も?」
「掛け布団もね」
こちらもと言う未亜だった。
「快適だし」
「そっちも寝心地いいのね」
「凄くね、だからこっちもね」
ベッドもというのだ。
「ないわよ」
「それじゃあ理由は他にあるのよ」
「他のっていうと」
「それはわからないけれど」
「そうなの、いや」
ここで未亜はふと気付いた、それで母に言った。
「ひょっとしてだけれど」
「寝起きが悪い原因わかったの」
「あの、パジャマにベッドにお布団でしょ」
この三つ、先に話が出たそれ等を挙げた。
「そうきたら残るわね」
「あっ、あったわね」
「そうでしょ、一つね」
「枕ね」
それだとだ、母も応えた。
「枕あったわね」
「そうよ、枕がね」
「あんた枕はどうなの?」
「確か十歳の時に買ってもらって」
「小四の時じゃない」
「その時からね」
「今も使ってるの」
「それのせい?」
「ちょっと見せて御覧なさい」
母は娘にむっとした顔で告げた。
「その枕をね」
「そこに原因があるかも知れないから」
「そう、その枕ね」
「それじゃあ」
未亜は母に応えすぐにだった、一旦自分の部屋に戻ってそのうえで自分が使っているその枕を母に見せた。
するとだ、母はその枕を見てすぐに言った。
「もうボロボロじゃない」
「そうよね、もう十年使ってるし」
「それ位ね、それ位使ってたら」
それこそというのだ。
「もう完全にくたびれてるし」
「この枕で寝ていたら」
「寝心地がそれだけ悪くなるわよ」
「それでなの」
「そう、あんたその分ね」
枕、寝る時に頭にやるその分だけというのだ。
「寝心地悪くてよ」
「寝起き悪かったのね」
「全く、じゃあ今からね」
「枕買いに行けっていうのね」
「あんたが使いやすくて寝やすそうな枕を見付けて」
そうしてというのだ。
「買ってきなさい」
「今すぐによね」
「明日も童話の悪い魔女が出て来たみたいな顔見たくないから」
未亜の寝起きの顔をこう表現した。
「だからね、お金あげるから」
「アルバイト料出たけれど」
「いいの、これ位出してあげるから」
「有り難う、お母さん」
「その分あんたの寝起きには困ってるの」
その寝起きの悪さにはというのだ。
「だからいいわね、今からすぐによ」
「枕買って来るわ」
「それじゃあね」
「行ってきます」
未亜は母からお金を貰ってすぐにだった、枕を買いに行った。そしてお店の人と相談をして出来るだけ使いやすそうな枕を買ってその日からその枕で寝た。すると。
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