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とある3年4組の卑怯者
128 大混乱
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いたが、それだけではない。その先に出刃包丁を括り付けて振り回していた。
「アア!?テメエはイツかの外人女じゃねエか!ここで借りを返してやるよオ!へへ!!」
 山口もリリィに気づいた。山口は出刃包丁が付いた飛び縄を振り回す。多くの生徒達が避けようと逃げた。リリィは恐怖で寧ろ動けなかった。出刃包丁がリリィを襲う。その時、誰かがリリィの盾となった。花輪だった。花輪は腕で出刃包丁を弾いた。その際、袖が切れていた。
「はあ、こんな物を振り回しちゃ危ないじゃないか、senhor」
「テメエはイツかの・・・。このヤロウ!!」
 山口は出刃包丁の先を持ち、花輪を刺そうとした。
「イヤーーーー!!」
 リリィは絶叫した。その時、別の女子が急に現れた。
「テイヤーーー!!」
 その女子は山口の包丁を持つ腕を掴むと、地面に投げつけた。その女子は、合気道を習っているという5組の菖蒲岡美里だった。
「あ、貴方は・・・」
「ここは、私で抑えるから逃げて!!」
「う、うん!」
 リリィは皆とまる子やたまえ達と逃げた。その時、さらにリリィ達のいる方の昇降口の反対側の廊下から別の男子がダーツの矢のように彫刻刀を飛ばしてきた。その一本がたまえを襲う。
「たまちゃん、危ない!!」
 誰かがたまえを庇った。たまえの幼稚園時代の旧友で5組の学級委員を務める橿田ひろ子だった。
「ひろ子ちゃん!?」
「う・・・」
 ひろ子はたまえを庇おうとして右のこめかみに彫刻刀が刺さっていた。ひろ子はそれを抜いた。
「ひろ子ちゃん、大丈夫!?」
「私は大丈夫だよ。急いで出よう・・・!!」
「うん・・・」
 皆は校庭に出た。しかし、そこも安全地帯ではなかった。別の部下が打ち上げ花火を持って飛ばしていたのだ。
「キャーーー!!」
「危ねえーーー!!」
 先に校庭に出ていた一、二年生が必死で逃げ回っていた。ブー太郎がそれを見た途端、さらなる恐怖を覚えた。自分の妹のトミ子も巻き添えとなり、必死で逃げている。
「と、トミ子!トミ子ーーー!!」
 ブー太郎は必死で飛び込もうとした。大野と杉山を敬っている彼はできれば二人がいれば彼らに助けを乞いたかもしれないが、見回しても大野も杉山もいない。ならば、自分の手で妹を助けようと思った。
「よしなよ、ブー太郎、危ないよ!!」
 まる子が止めようとした。
「何言ってんだブー!!あいつを止めないと、トミ子が・・・、いや、皆が危ないブー!!」
 ブー太郎は泣きながら反論した。その時、長山も自分の妹の小春が転んで標的にされようとして抑えられなくなった。
「こ、こはるーー!!!やめろーーー!!」
 長山は必死でその男子に向かって走るが、追いつけない。思い切って靴を脱いで投げつけた。しかし、男子は小春に向けて花火を発射した。しかし、間
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