天使のような子の幼馴染と出会った
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をしてしまったんだ。
南さんの虜になってしまったんだ。
言うまでもなく、これが初めての恋──所謂初恋というものだ。
ああ……なるほど。これが、恋なんだ。
「──神崎くん?」
「……あっ、な、何かな?」
「ぼーっとしているみたいだったからどこか悪いのかなって。大丈夫?」
「ああ、ごめんごめん。ちょっと考え事をしていて。大丈夫だよ」
「そっか。それならいいの」
これって、俺のことを心配してくれるんだよな。心配掛けて申し訳ない気持ちになるけど、同時にどうしようもなく嬉しい。好きな人に気にかけてもらえるってこんなに幸せなことなんだ。
「よーし! それじゃあもっと仲良くなる為に色んなことを話そう!」
「おっ、いいねー!」
「仲良く……ですか。ふふ、穂乃果らしいですね。殿方は苦手ですが、友達が増えるのは良いことですから」
「私も賛成。海未ちゃん、2人とも優しいから大丈夫だよ」
穂乃果さんを筆頭に会話が始まる。好きな物とか趣味とかを質問したり、お互いの高校生活を発表し合ったり。意外にも園田さんが積極的に質問してきたことが印象的だった。慣れてきたということかな。
対して、南さんへの恋心を自覚した俺は、会話に集中出来ずにいた。別に会話に入れないという訳ではなくて、本当に会話に集中することが出来ないのだ。
翔真や穂乃果さんが話してても、南さんのことばかり気にかけてしまうし、彼女の一つ一つの仕草が俺の心を揺さぶってくる。
時々、南さんが俺に話を振ってくるけど、緊張して上手く話すことが出来なくて。それでも頑張って話そうとしてみるけどやっぱり緊張しまって。
ああ──恋ってなんて甘く切ないのだろう。
結局、6時頃まで話していた俺達だけど、最後まで満足に会話することは出来なかった。
さらには今日、南さんは穂乃果さんと園田さんと帰るということで、昨日みたいに帰り道を共にすることはなく。結果、翔真と2人で帰路に就くことになった。
ああ──南さんと帰りたかったなぁ。でも、無理を言うことは出来ないし仕方ないか。
また一緒に帰れる機会があればいいけど……
ちなみに、
「ああーっ! 穂乃果ちゃんと海未ちゃんにサインもらうの忘れてたぁ!」
という我が親友の悲痛な叫び声が住宅街に響いたのはまた別の話。
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