一条の光
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地上から遠く離れた天空にてアキトとワポルはの対面する。
「「あぁ、あぁっ……」」
ワポルは最早、自分達に残されている選択肢は命乞いのみであると理解せざるを得なかった。
此方の生死は全て奴の掌の上であるのだと理解した。
「「ちょ、ちょっと待って!?お前に地位と勲章をやろう……!?」」
最後の最後にワポルの口から出てきた謝罪の言葉ではなく懐柔の言葉であった。
どこまでも自分本位であり、独占的な言葉としか言いようがない。
人がわざわざ現状を根絶丁寧に教え、事態の深刻さを自覚させることで生き延びる選択肢を選ぶ時間を与えたというのにそんなことしか頭にはないのか、とアキトは失望した。
本当にこいつらは……
「醜いな……」
アキトはそれ以上にワポルとムッシュールという男を表す言葉を知らなかった。
自分は決してそんな言葉を求めているわけではないのだ。
お前達は殺めた国民達への謝罪の言葉を思い付きもしないのか。
奴らに少しの良心でも残っているのならば自分は命まで取るつもりはなかった。
だが、奴らは純粋な悪であり、救いようがない程に良心の欠片も持ち合わせていなかったようだ。
奴らだけは生かしておいてはならない。
此処で奴らを殺さなければ奴はまた再び何処かで害悪を撒き散らすだろう。
これは確信にも似た予言だ。
10年前に起きた胞子爆弾による大虐殺事件
胞子の爆弾によりドラム王国の多くの国民達が命を落としたと聞く。
それもムッシュールの能力の試運転などというくだらない企みによって
実に軽率であると同時に愚かな行為だ。
許されることではない。
当時の凄惨な傷跡は今なおこの国の国民達の心に深く残り続けている。
お前は一度でも国民達の事を顧みたことがあるのか?
愛する者を失った者の事を考えたことがあるのか?
無残にも殺された国民達はお前達を憎悪したはずだ
殺したい程に憎んだはずだ
死にたくなかったはずだ
例え、悪政を敷かれている国であろうとも生きていたかったはずだ
きっと犠牲者の中には子供達も多くいただろう
お前達は子供達の可能性ある未来を奪い、多くの人々の命を私利私欲に弄んだのだ
だというのに多くの人々の命を奪ってきたお前達だけが今なおのうのうと生きているのは都合が良すぎるんじゃないか?
お前達の愚行は決して許されることではない
許されざることではない
この国の国民達はお前達の欲求を満たすための駒などではない
お前は断じて王などではない
王とは皆に認められた者のことだ
国の民達を自らが指標となることで導き、次世代の子供達を育て、未来あ
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