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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
14話 単独行動其の一〜ツカサ編〜
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 すっと、ツカサの身体が掻き消え、現れたのはティバインウルフの纏う爆風ギリギリの場所。長さが増したリカント・ヴェンデッタの前で、ティバインウルフが纏う爆風など、ないものに等しい。

 4連続刺突技 リーパー・エイク


 薙ぎ払いも入ったこの技は、槍のソードスキルの中でもかなり上位のもので、なんとボスさえもノックバックできる確率がかなり高い。もちろん、100%ではないのだが、今までの戦闘経験から、きちんと攻撃が通るところにさえ当たれば、ほぼノックバックは発生する。


 その経験則にたがわず、ティバインウルフの身体がのけぞる。リアがいればここで飛び込んでくれるのだが、それはできないため、スキル後硬直でツカサも動けず、追撃はできない。

 わずかにツカサのほうが早く硬直からとけ、後ろへと軽いフットワークで飛ぶと、その直後にノックバックから解放されたティバインウルフの前足の強烈なたたきつけが、先ほどまでツカサがいた石床を抉った。


 

 ただ、ここまでの上位スキルを無防備なところに入れても、1割ちょっと。


「ほんとにめんどくさいな…」



 思わずため息を吐いてしまうが、そうは言いながらもツカサは次の攻撃に移るために、下に重心を落とした。
















 そうこうしているうちに、ティバインウルフのHPは9本目の9.8割ほど削れ、ツカサの8回目のリーパー・エイクが決まると、いよいよそれは10本目に突入した。


 その瞬間、急にティバインウルフの様子がおかしくなる。ふさふさとした体毛は、まるで体を覆うスーツのように変化する。


 そして…


「…は?」





 思わずツカサが声を出してしまうほど、それは彼の想像を上回るものだった。





 驚くべきことに、





 ティバインウルフが、後ろ二本足で立ちあがったのだった。


 前足も変化していき、それは人間の腕のようになっていき、五本指が生え、それぞれの指に、ゆうに10pはあるだろうと思われる爪が伸びる。


 


 そう、まさにその姿は、“狼男”だった。



「嘘だろ、壁画にはなかったぜ、そんなの…」


 呆れたように首を振る。壁画では、人間が倒される過程は書かれてはいなかったものの、最後に勝利した狼の姿は絶対に先ほどまでの姿だったはずだ。



 しかし、考えてみれば、この変身形態になる前にすべての人間が倒されてしまったのだとしたら、その倒された人間は、このティバインウルフの姿を知らない。確かに、壁画は事実を描いていたが、少々どころか、かなりの情報不足だ。




 


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