第十一幕その十一
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「それはね」
「無理だね」
「距離の問題でね。けれどこの山にいたら」
「すぐに行き来出来る」
「贅沢な山だね」
「そうだね」
「そして真ん中の山で」
そこで、なのでした。
「明日は」100
「お祭りだね」
「そうなるね」
「では私達もね」
「服は奇麗にしよう」
「いつも以上にね」
「お二人はいつもタキシードですね」
恵梨香は二人に言いました。
「そうですよね」
「そう、観た通りにね」
「我々はいつもタキシードだよ」
「勿論明日もだよ」
「タキシードだよ」
二人はこの服だというのです。
「この服は正装だからね」
「何処に着て行っても通用する」
「だからだよ」
「この服で行くよ」
「わかったわ、じゃあ二人はタキシードで」
ドロシーが頷きました。
「ボタンはどうかしら」
「僕はいつも通りでいいよ」
「水兵さんの服で?」
「うん」
こうドロシーに答えるのでした。
「僕の服は兵隊さんの軍服だよね」
「ええ、そうよ」
その通りだとです、ドロシーも答えます。
「その服はね」
「そうだよね、じゃあね」
「その服でいいの」
「奇麗だったらね」
それでというのです。
「いいよ」
「そうなの」
「だからお祭りの前は奇麗にするけれど」
それでもというのです。
「別にいいよ」
「わかったわ。ボタンがそう言うのなら」
ドロシーはボタンの意見を尊重して言いました。
「それでいいわ」
「そうするね」
「けれど気が向いたらね」
「浴衣を着たいと思ったらだね」
「何時でも言ってね」
ボタンににこりと笑って言うのでした。
「その時はね」
「うん、わかったよ」
ボタンもドロシーの優しさと気遣いを察して頷きます。
「若しそう思ったらね」
「そういうことでね」
「お願いするね」
「ええ、その時はね」
ドロシーはにこりと笑ってボタンに応えました、そしてです。最後にトトにお顔を向けて言いました。
「トトは新しい奇麗な首輪に替えて」
「そしてだね」
「お風呂に入って」
「ちゃんと洗って」
トトもにこりとして応えます。
「そうしてだね」
「ブラッシングもしてね」
お風呂で洗った毛をというのです。
「そうしてね」
「お祭りに出るんだね」
「そうしましょう、いいわね」
「うん、わかったよ」
トトは笑顔でドロシーに応えました。
「それじゃあね」
「その時はね」
「そうして奇麗にしてからね」
「お祭りに行きましょう」
お互いに笑顔でお話をしてそうしてでした、皆で明日のことを決めました。そのうえでその明日に思いを馳せるのでした。
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