暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第3章 『ネコにもなれば』
第42話 『ネコ先生によるスキルレッスン?』
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れたときを思い出した。あのときは放たれてから当たる寸前まで、時間が遅れているように思え、かつ身体が動かなかったことを覚えている。


「私の能力はそれです」
「え、と……?」
『……』


 なのはたちは彼の答えにそれぞれ考え、自分たちも同じように物事がスローヴィジョンに見えたときの状況を思い出した。


「ネコ先生の能力は異常なまでの『集中力』なんですよ」


 先日治療を施したシャマルが簡潔に話した。


『集中力……』
「おいおい、確かに危ない! ってときはゆっくりに見えたりするけどほんの一瞬じゃん」


 シャマルの言葉に理解を示すも理由としてはいまいちというようにヴィータは感じた。しかし、シャマルは静かに核心めいた表情を崩すことはなく、


「そうですよ? それは頭がその異常に耐えられずリミッターをかけてしまうのよ」


 真っ直ぐ彼を見て、


「ネコ先生、貴方の能力はリミッターを外せるほどの集中力ですよね?」
「はい」


 と、彼は頷いた。


「火事場のバカ力というやつか?」


 シャマルも頷いた。


「だから、工機課の環境対応を含め、普段の身体への異常な酷使によってそのリミッターはずしに耐えられるようにしているんですよね?」


 これにもう一度コタロウは頷いた。


「他の工機課の皆さんより私が環境劣化の場所に派遣されるのはそのためです」


 そして、と彼は続ける。


「私は『離陸(ロー)上昇(アッパー)頂点(トップ)限界(オーバー)臨界(オーバートップ)』の五段に分けています」


「え、じゃあ」
「フェイトちゃん?」


 彼女は何かに気が付いた。


「え、うん。模擬戦のときの九天鞭を出すときに『上昇(アッパー)から頂点(トップ)へ』って」


「なるほどな」


 その横ではヴィータが指を折り、


「ロー、アッパー、トップ、オーバー、オーバートップ……あ? じゃあネコセンセーはフェイトとの模擬戦は全然本気じゃなかったってことか?」
「本気、といいますか、集中力の度合いなのでイコール本気かどうかを捉えることは困難です」


 ヴィータは不満にも似た表情だが、シャマルがそれを諌めた。


「ネコ先生の能力はきちんと五等分できるようなものじゃないからヴィータちゃんの考えている以上に複雑なのよ」


 その証拠に、と続ける。


「あの模擬戦の後やヘリでの対処後など、終わった後の疲労は普段、スバルやティアナたちの疲労とは質が違ってたもの。本気であることと全力はまったく違うわ」
「シャマル、怒ってる?」
「怒ってません!」



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