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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第34話 空賊との戦い
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しともオサラバだな」
「兄貴、油断は禁物だぜ。身代金はこれからだ」
「うん、まずは人質解放の段取りを決めなくちゃね」
「人質解放だと?馬鹿言うな、そんな面倒なことしないでミラ頂いたら皆殺しにすりゃいいじゃねえか」


 なんてことだ、空賊たちのボスは身代金を受け取ったら人質を皆殺しにするつもりだったのか?でもあの二人は驚いた表情を浮かべている……意見の食い違いでもあったのか?


「ド、ドルン兄……?冗談きついよ?」
「冗談な訳ないだろう?連中は俺たちの顔を知っているんだぜ?リベールから高跳びしても足が付くかもしれねえだろうが」
「そんな……年寄とか小さな子供もいるんだよ!?本当に殺しちゃうつもりなの!?」
「ジョゼット……おめぇはいつまでたっても甘ちゃんだな。ママゴトやってるんじゃないんだぞ?」
「そ、そんな……ボク……」


 どうやらあの二人は人質を解放しようとしていたようだがドルンという男性は初めから殺すつもりだったようだ。しかしなにか様子がおかしい様な気がするな。


「兄貴……悪いがそれだけは俺も反対だ。今やってることだって大概なのにそこまでやっちまったら俺たちは本物の外道になっちまうよ。そんな血まみれのミラで故郷を取り戻して兄貴は誇れるのかよ!」
「キールよぉ、おめぇいつからそんな偉くなったんだ?」
「えっ?」
「ナメた口叩くんじゃねえ!!」


 バキッ!!


 ドルンは急に表情を怒りで染めるとキールの顔を思いっきり殴り飛ばした。


「があっ!?」
「キ、キール兄!?」


 ジョゼットは壁に叩きつけられたキールの元に駆け寄っていく。遠くから見ても頭から血が流れているのが分かる位の傷だ。


「不味いわ、あのままじゃドルンって奴がキールって人を殺しかねないわね。皆、突入するわよ!」
「「了解!」」


 俺たちは意を決して部屋の中に入った。


「そこまでよ!」
「あ、あんたたちは……!?」
「遊撃士ども!?どうやってここに……」
「あなた方が琥珀の塔の前に止めてあった飛行船にこっそりと乗り込ませてもらいました」
「いわゆる密航って奴だね。中々スリリングな体験だったよ」
「くそ、やられちまったか……」
「遊撃士協会の名に置いてあんたたちを拘束するわ。逆らわない方が身のためよ?」
「くっそー……ここまでなの……?」


 バガガァァァンッ!!


 突然の轟音に俺たちは驚いてしまった。見ると今まで黙っていたドルンが片手で木製の机を粉々に叩き潰していた。


「キール……ジョゼット……てめぇらにはほとほと愛想が尽きたぜ。こんなヘマしやがって……」
「ド、ドルン兄……?」
「こうなりゃてめぇら全員ぶっ殺して俺だけがミラを
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