第34話 空賊との戦い
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、なんとお礼を言ったらいいか……」
「あなたが船長さん?お礼は後でいいわ。それよりも……」
エステルさんは人質たちがいる部屋を見回している。
「あれ?いない……ねえ船長さん。定期船に乗っていた人質はここにいる人達だけかしら?」
「ああ、ここにいる者だけだが……」
「うそ……」
エステルさんはカシウスさんを探していたようだがカシウスさんは乗っていないようだ。
「カシウス・ブライトという人が定期船に乗っていませんでしたか?遊撃士協会の関係者なんですが……」
「カシウス・ブライト……どこかで聞いたような?」
「あ、あの船長……あのお客様の事じゃありませんか?離陸直前に船を降りられた……」
「ああ、そういえばそんな人がいたな」
人質の一人がカシウスさんについて何か知っているようだ。
「ど、どういう事!?」
「いやボースを離陸する直前に船を降りた人がいたんだよ。王都から乗ってきた男性で確かそんな名前だったな」
「あ、あんですってー!」
まさかの乗っていなかったという展開にエステルさんがポカーンと口をあけてしまった。
「だ、だって乗客名簿には……」
「すまない、離陸直前だったから書類の手続きが間に合わなくてね。ロレント到着後に手続きするはずが空賊たちに捕らえられてからそのままなんだ」
そんな事情があったのか、通りで空賊たちが定期船を制圧できたわけだ。カシウスさんが乗っていたら今回の事件は未然に防がれていただろうしようやく疑問がとけたよ。
「もう父さんったら人騒がせな……でも変な事に巻き込まれてなくてよかった……」
エステルさんは少し怒っていたがカシウスさんが無事だと知ると涙を流していた。
「取り敢えず今は空賊たちのボスを捕らえに行くわ。申し訳ないけどもう少しだけここで辛抱していてくれないかしら?」
「わかりました。どうかお気を付けて……」
俺たちは空賊のリーダー格であるあの兄妹とその二人が話していたドルンという空賊のボスを捕らえるためにアジトの奥を目指した。
「あ、見て。あそこから聞き覚えのある声が聞こえるわ」
アジトの一番下の階層に来た俺たちは階層の奥にある部屋からエステルさんが聞き覚えのある声が聞こえたと言う。おそらくジョゼットとキールだろう。もう一人の声は年の取った男性の声でエステルさん達も知らない声らしい、この声の主が空賊のボスなのだろうか?
「何かを話しているようね……」
俺たちは扉の隙間から中の様子を伺う、中にはジョゼットとキール、そして左目に傷のある男性が人質について話していた。
「そうか、女王が身代金を出す気になったか。これで貧乏暮ら
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