刹那の戦闘
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雪の上を走っているとは思えない程の速度で一気にワポルとチェスマリーモの両者へと迫る。
「「くっ、この!?」」
チェスマリーモは迫り来るアキトを撃退しようと弓を構え、万感の思いを込め、全力で弓を引き絞る。
「っ!?」
しかし、突如、不自然な程に自身とアキトの距離が狭まった。
自分の意思とは無関係に奴との距離が近付いていく。
距離を見誤ったのか、自分が?
いや、違う。
自分の体が何か不可視の力で引き寄せられているのだ。
弓とは謂わば距離感を測ることが命とされる。
距離感を狂わされてしまえば矢が当たる可能性が極端に減少することは自明の理だ。
宙に浮かび、体勢を崩されたチェスマリーモにアキトの攻撃を避けることなど出来るはずもなかった。
アキトは引き寄せたチェスマリーモの腹に掌底を叩き込む。
そして、苦痛に歪む顔面を掴み、眼下の地面へと能力を用いて深く沈み込めた。
出来上がる大規模のクレーター
続けざまに能力を用いて地面を強く踏み締め、雪を宙へと舞い上がらせる。
一種の大きな壁が出来上がり、ワポルはアキトの姿を完全に見失ってしまう。
その刹那の瞬間にワポルの背後へと回り込んだアキトは躊躇することなくその側頭部を蹴りぬいた。
チェスマリーモが沈むクレータへ仲良く吹き飛び、両者共に力なく倒れる。
「貴様ッ!よくも俺の弟を……!?」
続けて、アキトは背中から斥力の力を爆発的に噴出させ、ノーモーションで大地を飛行した。
怒りに狂い、隙だらけのムッシュールへとアキトは先程とは一線を画す速度で近付き、その胸元へと掌底を力強く叩き込む。
吐血するムッシュールの顎を蹴り抜き、上空へと吹き飛ばす。
そして、宙へと跳躍し、奴の顔に手をかざし不可視の衝撃波を近距離で放った。
為す術無くその身に衝撃波をもろに受けることになったムッシュールは眼下のワポルの元へと勢い良く墜落する。
雪が大きく巻き上がり、爆音と共にムッシュールは完全に再起不能に陥った。
「おーい、アキト!」
アキトがワポル達を片付けた終えた折に、丁度ウソップ達がこの場へと到着していた。
「勝ったんだよな、アキト!?あのワポル達に!?」
どこか興奮した様子でウソップは此方へと詰め寄ってくる。
アキトは静かに首肯し、肯定の意を示す。
「アキト君、本当にありがとう。心からお礼を言わせてもらう」
ドルトンは真摯に頭をアキトに下げ、涙を流しながらお礼の言葉をは述べた。
「そんなにかしこまらないでください、ドルトンさん。俺は当然のことをしたまでです」
何かを?み砕き、咀嚼する不快な音が響いた
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