旧校舎のディアボロス&戦闘校舎のフェニックス
邂逅
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てありがとう。朱乃の主として心からお礼を言わせてもらうわ。」
リアスは深々と目の前へと男性に頭を下げる。
「別にお礼をもらうために朱乃を助けたわけじゃない。だから頭を上げてくれ。」
どうやら彼は謙虚な性格のようだ。
「分かったわ。」
頭を上げるリアス。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名前はウィス。朱乃とは彼女が幼い時に一度だけ出会ったことがある。」
自身に抱き付く朱乃を優し気に撫でるウィス。ウィスはまるで甘える妹を甘やかすように慈愛の満ちた目で朱乃をあやしている。
「こちらも名乗らせてもらうわ。私の名前はリアス・グレモリー。このオカルト研究部の部長であり、悪魔世界で公爵家を有するグレモリー家の者よ。私のことはリアスと呼んでくれて構わないわ。」
リアスは貴族としての誇りを胸に誇らしげに自身の名を名乗りを上げる。
「よろしく、リアス。こちらもウィスと呼んでくれて構わない。」
「分かったわ。これからよろしくね、ウィス。」
「ああ。」
リアスとウィスの両者は机越しに握手を交わした。
その後リアスから自身の領土内でのはぐれ悪魔の討伐の件と朱乃の件のお礼がしたいという提案を受けた。
ウィスからすれば人間界の領土を悪魔たちが勝手に自分たちの領土だと言い張っているなんちゃって領土に過ぎないのだが、ウィスは敢えて突っ込むようなことはしなかった。
はぐれ悪魔の人間社会への放逐に加え、人外たちによる一般人への被害は計り知れないことは間違いないだろう。特にこの駒王町のはぐれ悪魔の数の多さは異常だ。ウィス自身何度もはぐれ悪魔の被害を抑えてきた。
このような状況ではこの町の管理人であるリアスの対処は不十分だと言わざるを得ない。だが彼女に物申したところで事態が好転するわけではないのも事実である。加えて彼女自身若いうえ高校生という見た目通りの年齢なのだ。故に彼女を責めるのは筋違いもいいところだ。
報酬の件に話を戻すがウィス自身誰かに縋るほど欲深い願いなど持ち得ていない。大抵のことは自分で叶えることができるからだ。
いや、あった。
一つだけ。どうしても叶えたい願いが─
「…なあ、この学園は実質悪魔が管理しているんだよな?」
「…?ええ、そうよ。」
不思議気に首を傾げるリアス。
「そうか。なら『 』ことはできるだろうか?」
思案気なウィスはこの場の誰も予想できなかった言葉を口にした。
「ねえウィス、私の眷属にならない?」
「丁重にお断りする。」
その後のリアスからの眷属勧誘は普通に断った。
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