Dr.くれはと一匹のトナカイ
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き渡る。
見れば件のチョッパーが病室の扉に隠れる形で此方を見つめていた。
どうやら立ち聞きをしていたらしい。
言葉とは裏腹にチョッパーの身体は踊りに踊る。
実にテンポ良く、軽快にリズムを刻んでいた。
表情は緩みに緩み、喜んでいるのは一目瞭然であった。
褒めると伸びるタイプだな、これは。間違いない
『……』
そんなチョッパーの姿に何とも言えない3人
「ねえ、チョッパー、良かったらなんだけど私たちの……」
「……っ!ドクトリーヌ、あいつらが遂にここまでっ!」
ナミの言葉を無視し、チョッパーは鼻を引くつかせ、険しい表情を浮かべる。
先程までの笑みを引っ込め、チョッパーは己の主であるDr.くれはへと進言した。
「そうかい……」
対称的にDr.くれはは焦る様子を見せない。
「─」
そんな中、アキトは何処か遠くを見つめていた。
その表情を伺い知ることはできない。
「……ドクトリーヌ、俺は少し外の風に当たってきます。少しのぼせてしまったので」
「ああ、構わないよ。まあ、気を付けな」
「はい、勿論です。……ナミはこの場で安静に寝ててくれ」
「え…?う…うん」
アキトは戸惑っているナミを背に病室を後にした。
▽▲▽▲
遂にワポル達がロッキーマウンテンの頂上に辿り着いた。
「まっはっはっは!遂に辿り着いたぞ、我が城に!これでドラム王国も復活だー!!」
ワポルは両腕を上機嫌に掲げ、声高らかに喜びを表す。
後ろには付き人のクロマリーモとチェスが控える。
ワポルの隣にはピンクのおかっぱ頭の長身の男の姿、ムッシュールの姿もあった。
「ワ…ワポル様!城の国旗が我がドラム王国の国旗ではありません!」
「妙な国旗がぶら下がっております」
「んなに〜?なッ、何だ、あの国ッギガバァッ!?」
突如、饒舌に口を動かしていたワポルへと上空から何者かが接近し、ワポルの顔に強烈な蹴りを直撃させた。
「ワ、ワポル様──!」
「きッ、貴様──!?」
クロマリーモとチェスは己の主君を足蹴にした敵に怒りをあらわにする。
「……ほう」
ただ一人、ワポルの兄であるムッシュールは自身と渡り合う可能性を秘めた存在の登場に心を高ぶらせる。
ワポルを足蹴にした下手人は勢いよく後方へと跳躍することで後退した。
やがて彼らの前方にて佇む敵の姿が鮮明になり始める。
降りしきる雪を弾き飛ばし、螺旋の如く暴風を伴い件の人物、アキトが彼らの前に現れた。
「お前たちは此処で潰れてもらう」
─ ナミの治療費を置いていけ ─
今此処で戦闘開始
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