Dr.くれはと一匹のトナカイ
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い。
とても100歳を超えた人の姿には見えない。
ドルトンさんが魔女と揶揄していたのもあながち間違いではないのかもしれない。
こんなことを彼女に面と向かって言えば殺されることは言うまでもないが
しかし、これを言わずにはいられない。
「ぴ ち ぴ ち?」
ちょっと何言っているか分かんないですね
「ほう?」
Dr.くれははその身からどす黒い殺気を放ち、包丁をどこからか取りだしていた。
顏は笑っている。
だが、目は全くと言っていい程笑ってはいない。
普通に怖い。
「すみませんでした」
アキトは素直に頭を下げ、謝罪する。
仕方ないよね。とてつもなく怖いんだもの
「はぁ、冗談はこれくらいにしてあんたが抱えているその小娘の治療に取り掛かるよ」
今の遣り取りは彼女なりのジョークであったらしい。
「小僧、この小娘の容態が変わったのはいつだい?」
ナミの治療に取り掛かるべく彼女の表情が医者の顔付きへと変わる。
「ナミの容態が急変したのは今から3日前です。この島へと辿り着いた頃には既に熱は40度を軽く超えていました」
ナミはリトルガーデンを発った後突然体調が急変したことを今でも覚えている。
「じゃあ、次の質問だ、小僧。あんたたちはこの島に来る前はどこにいたんだい?」
「リトルガーデンという太古の文明が未だに蔓延る島です」
「太古というのは生態系そのものが古来のものだと解釈していいんだね?」
「その解釈で間違いありません」
「……成程。チョッパー、患者を運びな!」
「分かった、ドクトリーヌ」
トナカイがDr.くれはからの指示を受け、行動に移す。
途端、目の前のトナカイの姿が変化した。
四足歩行から二足歩行へ、体躯もより人間へと近づき、洗練されたフォルムへと変身する。
チョッパーと呼ばれるトナカイはナミを軽々と抱え、颯爽とその場から立ち去っていく。
「さて、小僧。いつもなら治療費としてお金をむしり取るところだが……」
「……?」
此方を測るような彼女の視線に晒され、アキトは思わず怪訝な表情を浮かべざるを得ない。
そんなアキトの様子に構うことなくDr.くれはは先程までの陽気な笑顔を消し、真面目な表情にて口を動かした。
「……小僧、あんた腕は立つかい?」
それは今後のアキトの行動を定めるものであった。
「……っ。ここは……?」
混濁とした意識の中、眠たげにナミは瞳を重々しく開ける。
目に映るは知らない天井
ナミは現状を確認するべく自身の周囲を見回した。
そんな彼女の額から濡れた冷やされたタオルがずれ落ちる。
見れば寝台の傍には水
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