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嗤うせぇるすガキども
戦車は愛と正義を否定する 後編
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、この僕を呼び出したりするからだ。
 思念波で脳を破壊されたぐらいですんだことに感謝してほしいね』

 そう、実はあの日、玖波が無茶な呪術を使って呼び出したのは少年悪魔ではなく、悪魔少年の方だったのだ。

『相当恐ろしい夢を見せたようですね。狂って暴れるものだから、あんな姿に』

 玖波は「反省室」のベッドに、拘束衣を巻かれた上で厳重に縛り付けられている。
 本来は患者にこんな処遇をすることは禁じられている。
 ……しかし、ここはないことになっているこの病院の地下三階。
 当然「玖波碧暁」なる患者も入院して「いない」のだ。

『人間の医学で、あの男を回復させることは不可能だろうな』
『いかなる魔術にても、不可能にございますでしょう。アスタロト閣下』

 少年悪魔がそう言うと、悪魔少年はその本来の姿に戻った。
 四大悪魔の一人としての姿に。
 そして彼らは、魔界の大邸宅に戻っていく。

『しかし、あの小僧の実家。余の邸宅より豪華であったな……』
『人間は身の丈にあった夢を見ていればいいのです。
 カニは甲羅に会わせて穴を掘ると、あの学校の女生徒のリーダーが申しておりました』
『たとえ他の誰かをうらやんだとしても、その誰かも他の誰かをうらやんでいるものだ。
 人間は誰も彼も、自分が幸福だと言うことを知らない……。度しがたいな』



 その世界を作った「神」が定めた「掟」をなかったことにすることは、その世界の破綻を意味する。
 ゆえにこの世界では男が戦車に乗ろうとすれば、女たちも世界自体もすべての協力を拒否するであろう。
 異論はもちろん構わない。やってみせればいい。
 誰かがこの世界の「神」を超えることができるというならば。
 
 
 
 
 
−こんな「作者がうつになりまして」は、危険だからいやだ− 完
 
 
 
 
 
 

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