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嗤うせぇるすガキども
戦車は愛と正義を否定する 中編
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 玖波の頭部を粉砕した手榴弾の破片は、玖波の頭蓋骨のかけらとともに僚友たちを傷つける。
 仕上げにさっきのラ○ボーもどきのゴブリンリーダーが、ドイツ兵から奪った突撃銃を
ハッチの開口部から突っ込んで、弾倉がカラになるまで撃ちまくった。
 ……玖波のティーガーは、こうして彼と僚友の棺桶と成り果てた。
 呪われたゴブリンどもは、すでに最初の三分の一にまで討ち減らされていたが、なおも奇怪な叫びをあげ、全身を敵と味方の返り血で赤黒く染めながらドイツ軍を蹂躙し続けた……。






 ……玖波が目を覚ます。
 ここは地獄の一丁目じゃない。やっぱり自分の部屋だ。

『三つ目の試練も、失敗に終わられました』

 玖波は、まるでからくり人形がしゃべっているかのような少年悪魔のその態度にむかついた。

「何だあれは! 向かって来たのはアメリカ兵ではなく、お前の眷属じゃないか!」

 少年悪魔は無表情のまま、感情のない声でこう答えた。

『私の眷属? 魔界78万の悪魔なら、1個連隊でいきなりベルリンを陥としております。
 ついでにロンドン、モスクワ、東京も……』

 確かにそうだろう。
 だが、悪魔軍が地上侵攻を始めてしまえばキリストが再臨してハルマゲドンが起きるだけだ。
 魔界では誰も、勝てない相手との戦争など求めていない。
 悪魔の悪魔たるゆえんである。
 そのキリスト教の総本山から「ルシファーの国」と呼ばれたどこかの国では、勝てない相手と戦うのが勇者の証明らしい。もっとも個人はその限りではない。



 玖波はもう、ほとんどヤケクソ状態だ。
 きっと目のまえの悪魔の君主は、初めから自分の願いを叶える気などないのだ。
 別な手を考える必要がありそうだ。

『四番目の試練は、どうなさいますか?』

 こいつも本当に下僕になっているのか知れたものではない。
 信じられるものか。

「バカバカしい。貴様の茶番にこれ以上つきあっていられるものかよ。
 やめだやめ! 僕はもう寝る」
『もったいのうございますな。
 四番目の試練は、実は唯一達成できる可能性がありますものを』
「なんだと? どういう意味だ!」

 ふざけている。
 こいつらは3回も自分をもてあそんだんだ。
 玖波はそれを悟って、心底怒りにうち震えた。

『お待ちください、碧暁様。
 主君は貴方様を試したのでございます。
 碧暁様がどんな試練にあっても決して翻らない鋼の意思をお持ちか否か。
 私は碧暁様の下僕でございますればこそ、かような内幕を明かすのでございます』

 ふん、回りくどいことを。
 こいつらは自分とそこらの乳母日傘の軟弱お坊ちゃんを一緒にしているのだ。
 ならば、最後の試練とかを達成し
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