天使のような子を助けた
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に練習しているのだろうか。なんて、どうでもいい疑問が脳内をよぎる。
「はい、どうぞ! 応援してくれてありがとうございます!」
「お、おお……。こ、こちらこそありがとうございます! 一生大事にします! あぁ……生きてて良かった……」
「あ、あはは……」
ことりちゃんと一緒に苦笑い。本当に残念なイケメンだ。これはもうどうしようもないかな。熱が冷めるのを待つしかない。それがいつになるかは神のみぞ知る。
「あっ、そういえば……。まだお名前聞いてませんでしたね。教えてもらっても大丈夫ですか?」
「えっ、でも──」
俺達の名前なんて知ってもいい事ないよ、と言おうとした所で我が親友に遮られる。
「俺、前原翔真っていいます! 近くの高校に通ってます! ことりちゃんと同じ二年生です!」
「あっ、それじゃあ同級生ですね。前原くんって呼んでいいですか?」
「もちろん! 敬語も使わなくていいよ!」
「うん、分かった──それじゃあ前原くん、よろしくね?」
「こちらこそよろしく! ことりちゃん!」
……ったく、コイツは。俺を置き去りにして何仲良くなっているんだ。
「あの……貴方も前原くんと同学年ですよね?」
「あっ、うん……」
どうしよう。この感じ、俺も自己紹介しないといけない雰囲気だよな……? でも、人気のあるスクールアイドルと仲良くなっていいものなのか。
俺の自己紹介を待っているのか、顔を覗き込んでくることりちゃん。当然、その可愛い顔で見つめられる訳で。
耐えられなくなった俺は、遂に──
「神崎蒼矢です。まあ、そこのソイツと同じ学校、学年です」
「分かりました。神崎くんって呼びますね」
「構わないよ。あと敬語もいらない。同学年だしさ」
「それもそうだね。神崎くんもこれからよろしくね」
「ああ、よろしく。“南”さん」
彼女と自己紹介を交わす。
これは──友達になったということでいいのだろうか。だったら、これからことりちゃんのことは名前ではなく苗字で呼ぼうと思う。
一人のファンとしてではなく、一人の友達として。
……ただ、我が親友は気にも留めて無いようだが。
「神崎くん」
「ん?」
「助けてくれて本当にありがとう。神崎くんのお陰で助かりました」
とびっきりの笑顔で、だけどどこか憂い顔で。
やっぱり相当怖かったんだろう。俺が助けてくれなかったら、なんてことも考えているのかもしれない。
「お礼なら翔真にも言ってくれ。実はナンパされてるのに気付いたのはコイツなんだ」
「えっ、そうなの? それじゃあ前原くんにもお礼を言わないと。本当にありがとう」
「いいのい
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