その27
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張って、全てを言い切った瞬間だった。
しみじみと噛み締めるように頷き、破顔一笑した男は、遠慮の欠片もない馬鹿力で香燐の背中を叩いてきた。
「あいわかった!お主の身柄はこの自来也が責任を持って預かろう。何、心配するな。木の葉はうずまき一族と縁の深い里じゃ。お主の言葉も草隠れよりは里にも届こう。届かんのなら、ワシが力になってやる。ワシは思うようにナルトの力にはなってやれんからのう。お主があの子の力になってくれると言うなら心強い。だがしかし、心しておけ。ナルトの言葉は嘘ではない。全て真の言葉のみだ。お主が木の葉に身を寄せるなら、お主は次代人柱力の器、もしくは、器になる者を産み出す母胎として、木の葉の里に扱われかねん。ワシはそう言う扱いを好いて居らんが、そういった考えを持つものがこの木の葉の里にも居るのもまた事実。木の葉は、忍の里だからのう。…っと、おお、これはすまん。ついつい力が入りすぎてしまったようだ」
太鼓判を押した口で念を押してくる男に、男に背中を叩かれた痛みと勢いで、その場に叩き落とされ、思わず蹲っていた香燐も覚悟を決める。
さすがに、香燐だけではなく、これから香燐が産むかもしれない子供まで狙われる恐れがあるとは思いもしなかったけれど。
でも、確かに人間の欲深さなど、香燐は嫌というほど今まで見てきた。
そして、それに翻弄されて、いいように利用されて今まで生きて来た。
だから、覚悟する。
香燐を利用しようとする奴を、利用し返す覚悟を!
きっと、うずまきナルトもこういう覚悟で生きてきた。
多分、きっと。
香燐と同じような境遇に生きているのだから。
だから、うずまきナルトにできるなら、同じ一族の香燐にだってきっとできる。
うずまきナルトはきっとそう信じてくれている。
だからきっと、出会ったばかりの香燐に手を差し伸べてくれた。
だから今度は、うずまきナルトに香燐が手を差し伸べる。
恩は、必ず返す。
命を助けられただけではなく、香燐の未来さえ、一筋の希望で照らしてくれた。
何もかも全ては香燐次第だけれど。
それでも、うずまきナルトがした事が、香燐に出来ないというのは悔しいから。
そう。
恩を受けて、借りっぱなしなのは気にいらない。
瀕死のうずまきナルトを助けて、消化不良ではあったものの、これで助けられた恩は返したと、そう思って、そういう意味では清々していた気持ちも少しはあったのに!
なのに!!!!
拳を握りしめて、今度こそ香燐はしっかりと決意した。
決して、決して、香燐がうずまきナルトに受けた恩を返すまで、香燐は決してうずまきナルトから離れてなどはやらない!
齧り付いてでもうずまきナルトについて行ってやる。
何処までも!
その為になら、何だってして見せる!
そんな覚悟を宿し
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