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とある3年4組の卑怯者
123 我慢
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麹江はそう言って二人から離れた。
「ったく、めんどくさい奴だな!」
「ウエッ!!」

 4組の教室では東山が栄張に聞いていた。
「栄張、いい加減に堀に危害を加えるのをやめないか!」
「あア!?るせえナ、ぶっ殺すゾ!!」
「何でも殴ればいいってわけじゃねえだろ!わかってんのか!?」
「うるっせエ!!」
 栄張は東山を殴り飛ばした。周りにいた女子が「キャア!」と悲鳴を上げた。東山はそれでも言葉を続ける。
「ほらそうやって殴る!手を出すからお前は嫌われんだよ!」
「ア!?黙レ、てめえハ!!」
 栄張はさらに東山を殴ろうとする。その時藤里が栄張を羽交い絞めにした。
「やめろ!なぐれっばいいってもんじゃねえだろ!!落ち着けよ!!」
「邪魔すんナ、おイ!!」
 4組の教室内が乱闘状態となる。狭間と志賀秋江(しがあきえ)が大急ぎで先生を呼ぶ事態になった。

 1時間目の終了後、みどりと堀は矢部、桐畑、西原と会話をしていた。西原が話し出す。
「さっき、4組の栄張が乱暴したって」
「ええ!?」
「昨日の事で東山君が注意しようとしたらすぐ殴って教室が荒れた状態になっていたんですって。狭間さん達が先生を呼ぶ事態になったそうよ」
「酷いわね、あんなの」
「ええ、あんな暴れるくらいなら平井君の方がまだ増しだわ」
(そういえば、平井さんも乱暴ですけど、理由なくすぐ殴るような人ではありませんからね・・・)
 みどりも栄張よりは平井のほうが増しだと思った。以前社会化実習の時、平井と同じ班になった時は、怖くてびくびくしてしまったが、倉山達のサポートもあり、うまくやっていく事ができた。もし平井ではなく栄張だったら終始殴られてばかりいたかもしれないと思った。

 その後、堀は狙われないようにクラスメイトと集団で行動した。何とか襲われる事なく済んだ。昼休み、堀はみどりに声を掛けた。
「あの、吉川さん・・・」
「何でしょうか?」
「私、今日藤木君と一緒にスケートしに行こうと思うんだけど、吉川さんもどうかしら?」
「藤木さんとですか?はい、是非お供します!!」
 みどりは喜んだ。藤木と一緒にスケートができるなら学校の嫌な事も忘れる事ができると思い、ワクワクするのだった。
(藤木さんと一緒にスケート何て、ああ何て光栄な事かしら・・・)
 みどりはスケート場で藤木と楽しい一時を過ごす事を妄想した。

 昼休み、校庭の隅で小倉と熊谷は榎像、新林、阪手、栄張らと会議をしていた。
「ぬぁあ、どうすんだ?堀に手を出せなくなっちまったぜ!!」
「俺もそれで迷ってたんだよ」
「3組の教室も見張られてるし、昨日はウチのクラスの豊崎が邪魔しやがってマジふざけんなだし!」
 阪手は不満をぶちまけた。
「ウエッヘッヘッ、いい手があるぜ!」
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