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とある3年4組の卑怯者
123 我慢
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 堀は藤木に電話した。
『もしもし』
「あ、藤木君。私よ、堀よ」
『堀さん!?久しぶりだね』
「えっと、明日一緒にスケートしに行ってもいいかしら?」
『スケート?うん、もちろんさ!』
「ありがとう。あと吉川さんもいいかな?」
『うん、いいよ』
「ありがとう、それじゃあね・・・」
 堀は電話を切った。
(藤木君、ありがとう・・・)
 堀は早く藤木に会いたい気分だった。かつて不幸の手紙で干された藤木を救った時と逆のパターンにはなったが、堀は藤木に会って心を落ち着かせられると思っていた。
 堀は再び藤木からの返事、みきえからの手紙を見た。そして泣きたくなってきた。
(みきえ、私今本当に学校が辛い。みきえ達の所へ戻りたいわ・・・。あの時のように・・・)
 堀は転校前の楽しい日々を思い出していた。


 翌日、みどりは堀の家へと向かっていた。途中で泉野と会い、堀を呼んだ。
「おはよう、二人とも・・・」
 堀は二人の顔を見て驚いた。二人とも顔に痣を作っていた。
「ど、どうしたの!?」
「実は昨日、帰る時に小倉や熊谷、栄張が待ち伏せしていてやられたんだ・・・」
「そんな、これも私のために・・・。ごめんね・・・」
「いえ、堀さんが謝る事はありません!あの人達が悪いんです!」
「この事は倉山君や西原にも言ったよ・・・。もうあいつら止められなくなったよ・・・」
 三人は登校していった。三人共学校が恐ろしい気分だった。しかし、ここで不登校になれば奴らの思う壺である。さらに堀はここで今日我慢すればスケート場で藤木と会える。堀は何としても今日は耐える事を決めた。そしてみどりや泉野もまたボロボロになりながらも堀を防衛しなければならないという使命にかられていた。

 みどり達は途中で麦田と合流した。
「あ、おは・・・、って吉川さん、泉野君、どうしたの!?」
「昨日堀さんの机と下駄箱を見張りした帰りに小倉さん達に待ち伏せされてやられたんです・・・」
「ひ、酷いわ!もう許せないわね!!」
 麦田も怒りがこみ上がった。四人で登校して、教室に入ると、西原が出迎えた。
「おはよう。吉川さん、泉野君、昨日は辛かったわね。倉山君が1組の麹江君や4組の東山君に言っておいてくれたわ」
「ありがとう。でもまだ懲りないかもしれないと思うな・・・」
「そうね・・・」
 不安が深まる一同だった。

 1組の教室では麹江が小倉と熊谷を問い詰めていた。
「おい、二人とも、3組の生徒たちを殴ったって!?」
「うるせえな!!」
「ウエッ、お前には関係ねえだろ!!」
「関係がどうのこうのじゃなくてお前らがやってる事はただのいじめだ!!いい加減にしろ!そんなことして楽しいのか!?やめる様子がないなら今度はお前達の親に言いつけるからな!!」
 
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