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インフィニット・ゲスエロス
17話→ISという名の兵器
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国の都合良くはいかなかったけどね)

当初、世界に名だたる篠ノ之束&山田太郎の作品とはいえ、現品を各国の科学者達に見せれば解析、複製できると思っていた。

だから、各国はある程度の金額を支払い、サンプルとしてISを1つ〜3つづつ買い上げるだけに留めた。

それが、致命的な勘違いだと気付いたのは、半年ほどたった頃だった。

解析仕切れない、『どの国』も。

そう、製造国である日本すら国が集めた科学者すべてをもってしても、解析、複製が出来なかった。具体的には、全ての要となる、『ISコア』が複製不可能だった。

更に不幸は続く。

この兵器は、白騎士事件の後、全てのコア起動が、女性以外、出来なくなっていた。

いや、正確なことを言うと、正規のISコアを起動すると、このような表示が出て、装着がキャンセルされた。

『このISコアは、外部からの攻撃により、現在一部の例外を除き、男性のIS装着をお断りしております』

軍の性質上、ほとんどが男性で構成されている各国軍事関係者、非常に困る。

だが、前述した通り、ISコアを解析できない各国は、セキュリティ解除を試すも、結果は不可であった。

各国、発明者コンビに会うために日本国にコンタクトを取るも、現状、二人の行方が知れず、不可能と返答。

それでは家族から、と考えようにも、いかなる伝を使ったのか、その頃には二人の家族も行方が知れず。

少々強引に調べようのしたエージェントは、『雲隠れ』をしたらしく、現在でも行方が知れない。

そして、窮した世界に残されたのは、たった500に満たない製造済みの『ISコア』のみ…………。

そこから世界は、果てし無いISコアの取り合いを始めた。

七年たった今も、各国は、ISコアを巡り争いを続けている。

「下らねえ…………」

正直、一夏にとって、いまや全世界の国防の要になったISの感想は、それだけだった。

織斑家は国から莫大な金額が支給され、姉は勲章すら受勲した。

だから何なのだ?

兄に気軽に会えなくされた上、仲が深い友人以外には遠巻きに見られるか、親の命令で媚を売られる日々。

正直、くそ食らえだった。

『ISが女性にしか使えないのは、旧軍隊の男性優先の体質に篠ノ之博士が異論を唱えるための……』

宣伝カーが下らない暴論をがなりたてる。

七年前から声が大きくなった女尊男卑主義者の下らない放送も、更に一夏を苛立たせる。

(何も知らず、何の努力もしてない奴等が勝手言いやがって)

兄の存在を貶めて、篠ノ之博士のことばかりを持ち上げるコイツらが、一夏は大嫌いだった。

嫌なものをなるべく見ないように、一夏は早足でIS学園に向かった。
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