17話→ISという名の兵器
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束の分析結果を山田太郎が翻訳し、書かれたそれに、正確に何がどう書かれているかは、国家機密として秘されているため不明だが、一番重要な中身は公開された。
内容としては至ってシンプル。
今回の事件の犯人。特殊なウイルスプログラムの現時点での分析結果である。
各国は狂喜した。
なんせ、不可能犯罪の答えが目の前に出てきたのだから。
一部の穿った見方をする人間は、これは太郎兄さんと束さんのマッチポンプではないか、と疑ったが、それならばわざわざ各国に教える必要がない。
それに、各国は既に今回の事件のせいで、内部の平和主義者や人権団体から、死ぬほど追い詰められていた。
とりあえず、各国は素直にこの出された蜘蛛の糸にすがることにした。
賠償金は支払うが、今回の件は意図してないものだと日本に理解を求める国々。
日本は、正直納得はしたくはない。
しかし、日本VS先進国他全て、というのは現実的に不可能である。
例えば、食料自給率だけで考えても半数以上を輸入に頼っている現状、あまりごねても、どちらにとっても不幸なことにしかならない。
そのため、政府は最終的に賠償金に危険にさらされた国民への慰謝料を上乗せすることで納得することとなる。
これで、とりあえず『今回の事件』の後始末は完了した。
だが、問題はまだ残っていた。
今回の件をウイルスの責任にすることは良いが、国防の要足る戦艦、戦闘機が感染したウイルス、その具体的な対策が現時点ではできていない以上、何かウイルスに対抗できる兵器がなければ、国が無防備になるという問題である。
無論、コンピューター制御されていない銃器や一部の戦車、飛行機は問題なく使えた。
だが、民間人の携帯すら高機能になっている昨今、そんな旧世代の遺物はあまり数もないし、そのようなマニュアル操作を多く残す兵器を操れる、いわゆる2次大戦のエースは既に退役しているか鬼籍に入っている。
これをメインにして軍を再編成することは、難しかった。
しかし、その点については、各国共に心当たりがあった。
ウイルスに感染した兵器と至近距離で戦って、かつ暴走等を起こさなかった兵器が具体的なものとして一つあったからである。
そう、当時暴走していた兵器を止めた兵器、IS【インフィニット・ストラトス】である。
勿論、それが百パーセント今回のウイルスに感染しないこととイコールではなかったが、ウイルス解析をした二人も噛んでいる高機能の兵器である。可能性は非常に高かった。
結論として、各国はこぞってその兵器に希望を見いだした。
加害者としてけじめをつけた後、各々水面下で動く世界中の国々。
そう、あの日から、世界はISに夢中になったのだ。
(まあ、そう各
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