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嗤うせぇるすガキども
これが漢の戦車道 @
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もそれなら……」
『地獄の沙汰も金次第、って言葉はあなたたち人間が作ったのよね。
 でも、真面目な話、魔界でもそれ本当になりつつあるの。
 お金がなさすぎて、魔界の運営さえ困難になっているのよ』

 ほへー。魔界の通貨って「魂」じゃなかったのかと鹿次は思った。

『以前は地獄に落ちてくるろくでなしに罰を与えるだけで、天界が補助金を出してくれたんだけどさ』

 つまり、地獄というのは、あの世の刑務所らしい。
 というか、日本の念仏宗あたりでは、はっきり裁判官や刑務官がいると言っている。
 そう言えば地獄の一歩手前の段階で「煉獄」とかいうのがあって、見込みのある罪人はそこで更生させてくれるみたいな話すらある。これはキリスト教だけど。
 悪魔が人間を誘惑するのも、上っ面だけ立派な奴を天国行きから排除するためなのかも。

『天界も人口が増えすぎて、住民サービスの対価を取ろうか検討中みたいよ』

 まあ、労働しない人物にいい思いだけさせてればそうなるだろうなと、鹿次でさえ思う。
 この国が同一労働同一賃金になるのは、いつのことかわからないが。



『てっとりばやく言えば、魂なんかもうどうでもいいから、お金を稼ぎたいのさ』
「そりゃ俺だって同じだよ。この世って、銭がなければ死ぬか犯罪者になるしかねえ」
『そこでね、私たちと組んでお金儲けしない? ってことなのよ』

 普通なら突拍子もなさ過ぎて、ついてこれるかどうかわからない話だが、戦車道マニアの中でもプラウダ風紀いいんかい?の次ぐらいに図太いと思われている鹿次にとって大事なのは悪魔のオファーだからといっておたおたすることではない。

「お仕事の内容を聞かせてもらおうか。内容次第によっては労基署に通報する」
『なに、君にとってもいい話だよ。
 この多元宇宙では、男も女と同様に戦車道をやっている地球だってある。
 そこで、非正規労働者として働いてほしいのだ』

 パラレルワールド論とはそういうものだ。
 選択肢が発生した時点で、粒子でもあり波動でもある世界は、両方とも実現してしまう。
 その結果起こることは、「世界」の分裂だ。
 もちろん男しか戦車に乗らない地球だって存在するだろう。
 そんな地球に住みたいと思う者はいないだろうが。
 だが大事なのはそういうことではなく、鹿次が思わず生唾を飲み込んだことだ。
 この場合彼にしっぽがあったなら、ぶんぶんふっていたにちがいない。

「で、お坊ちゃまにお嬢さま、それがしめはその世界で、何をすればよろしいのでしょうか?」

 あからさますぎる豹変だ。
 さすがの悪魔コンビも、先だって地獄に送ったプラウダ風紀いいんかい?の方が、単細胞お馬鹿だっただけマシではないかと考え始めている。

『……ま
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