第十五話
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第十五話 二枚重ね
春奈と赤音は休日に二人で神戸の街で遊んでいた、赤音はお洒落をしたつもりだが春奈のふわふわとしたロングスカートを見て言った。
「春奈ちゃん似合ってるわよ」
「似合ってるの?」
「うん、お嬢様みたいよ」
そうした感じだというのだ。
「可愛くて上品な感じで」
「これお母さんが買ってくれたの」
「お母さんが?」
「そうなの、買ってくれて」
「それを着てるのね」
「私に似合うからって」
そう言って買ってくれたものだというのだ。
「言ってくれてね」
「そうなのね、私の服はね」
赤音は自分の半ズボンを見て言った、足は黒タイツで覆っている。
「お姉ちゃんからのお下がりなの」
「そうだったの」
「似合ってればいいけれど」
「似合ってるわよ」
春奈は赤音にお世辞抜きに笑って答えた。
「赤音ちゃん赤が似合うから」
「赤はよく華奈子ちゃんが着てるけれどね」
「華奈子ちゃん赤の法衣だしね」
「それでと思ったけれど」
「黄色い半ズボンと」
赤音のイメージカラーとなっているこの色と、というのだ。
「それで赤がね」
「よく似合ってるの」
「ええ、奇麗な赤だし」
「赤ね、ちなみにこれ二枚重ねだし」
「寒くない様に」
「似合ってたら本当に嬉しいわ」
「二枚重ねだと暖かいしね」
冬の寒さの中半ズボンでもとだ、春奈は笑顔で応えた。
「丁度いいわね」
「これもお姉ちゃんに言われたの」
「二枚重ねの方がいいって」
「そうなの、そっちの方があったかいからって」
「赤音ちゃんのお姉ちゃんそういうの詳しいわよね」
「ええ、どういう服の着方したら暖かいか涼しいか」
そうしたことに詳しい姉なのだ、実際に。
「それでお話聞いてね」
「二枚重ねにしたら」
「実際にあったかいわ、上着もちゃんと着て丈の長いコートにマフラーにカイロまで持って来てるし」」
「完全装備ね」
「本当にあったかいわ」
「それは何よりね、じゃあ今から」
「遊びに行きましょう」
笑顔で話をしてだ、二人で遊びに行った、そうして二人で寒いが賑やかな神戸の街を楽しむのだった。
第十五話 完
2018・1・18
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