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NARUTO日向ネジ短篇
【暮れなずむ淡き想い】
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うん……。ネジ兄さま、長期任務がんばってね。兄さまなら心配いらないと思うけど……気を付けてねっ」

「ええ、──それでは」


(? あれ、頭に何か……)

 ネジが去ったあと、ハナビがふと気づいて片側の頭に手をやると、何か硬いものが当たっので取ってみる。

(三日月の、髪飾り……!)

 優しい黄色味の三日月形の髪飾りを、ネジはそっとハナビに付けてくれていたらしい。

(糸くずのようなものが付いてた、なんて嘘ついちゃって……。粋なことしてくれるじゃない、ネジ兄さま)

 ハナビは自分が思ってる以上に嬉しく感じているのを抑えきれず、顔をほころばせた。



───────



「ハナビお姉ちゃん、その髪飾りキレイだね!」

「ふふ、そうでしょう? 私の大切な人から貰った物なのよ」

 三日月の宵に、日向家の縁側で姪っ子のヒマワリに自慢げに見せるハナビ。

「あー、もしかして……ハナビお姉ちゃんの好きな人からもらったんでしょ!」

「ふふ……、まぁね〜」

「ねぇねぇ、どんなひとー?」

「秘密よ、ひ・み・つ」

「えー、ハナビお姉ちゃんずるーいっ!」

「ヒマワリがもう少し大きくなったら、教えてあげようかな〜?」

「ほんと!? やくそくだからね、ハナビお姉ちゃん!」

「ええ、約束──?」



(ネジ兄さま、ヒナタ姉さまと一緒に必ず帰って来てよね! 約束だよ?)

(判っています、ハナビ様。必ず帰って───)



「……お姉ちゃん? ハナビお姉ちゃん!」

「──え?」

 ヒマワリの声で我に返るハナビ。

「泣いてるよ……だいじょうぶ? ハナビお姉ちゃん」

「あ……だ、大丈夫よヒマワリ。心配させちゃってごめんね……」

 知らぬ間に頬を流れ落ちていた涙を、ハナビはそっと拭う。


(ネジ兄様……私、本当は───)


「ハナビお姉ちゃん……ヒマがついてるから、さみしくなんかないからね?」

 ヒマワリがぎゅっと抱きしめてきてくれる。

「そう……ね。ヒマワリ、ありがとう……」

 ハナビもぎゅっと抱き返す。


(この子の血にも……、あの子の……ボルトの血にも、ネジ兄様の血が受け継がれてる……。ヒナタ姉様とナルト義兄さんを身を挺して守った兄様の分まで、私がこの子達を守っていくから……。どうか、見守っていて、ネジ兄様───)



《終》



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