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嗤うせぇるすガキども
今日も空は青かった(前編)
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する。
 なお、僕たちは君に一切の資金援助はしないから、費用は自分で支弁すること』

 悪魔の契約にもクーリングオフがあるなんてね。
 最近は、魔界もコンプライアンスが厳しくなっているのだろう。

 このままずるずると不満だけ抱えて、もしかしたらブラックかそれにちかい会社に入って、老後は年金すらもらえないかもしれない、そんな人生を送るくらいならと思った僕は、なるようになれとばかりに、悪魔どもと契約することにした。
 しかし、費用自弁とは世知辛い。

『魔界も債務超過なのは、こっちと同じよ。
 どうせ死んじゃうんだから、街金からでも借りまくって踏み倒せばいいじゃん』

 うん、さすが悪魔は言うことが違う。
 女の子悪魔は、顔だけは深夜アニメにでたらロリ系ファンにそれなりに受けそうなのに。
 いや、女の子って、現実しか見ないよね。それが短い僕の人生経験でもわかる事実。

『じゃ、これが契約書ね』

 女の子悪魔が空中からだして見せたのは、おきまりの羊皮紙にヘブライ語かヒッタイト語だかがミミズがはったように書かれているやつだ。
 これの最後にすでに悪魔2名が連名でサインしている。

『では、君もこの契約を信義に背いて不誠実に履行することを証してサインしてくれ』
「わかった」

 人間の契約と逆だけど、我儘悪俗が悪魔の悪識なんだろうね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 さて、僕はそれから二人の悪魔の指導の下、戦車道にお誘いをいただける男を目指し、「男前道」を極めることになった。

『ちゃんと悪魔補正が働いて、何やっても通常の20倍の効果がでるから、臆することなく突き進め』

 そういうものの、メニューはお金がかかるものばかり。

「先立つものがないと、どうしようもないじゃん」
『心配しない。もう街金なら呼んであるから』

 女の子が悪魔だと知らないで呼ばれた街金さん。
 僕はこのとき初めて街金さんというものに同情を感じた。



 ここは世界的チェーン店のコーヒー屋のお店。
 そのなかの、一番目が届きにくそうな一角に僕ら三人は座っている。
 はた目には、高校生が一匹と中学女子と小学生のガキがいるようにしか見えないだろう。

「ちわーす」

 なんかそんな日常的な光景に、いかにも「若いときに修羅場をくぐって参りました」というオーラがにじみでているコテコテの関西風の、メガネを掛けた男がやってきた。
 ……よかった、○シジ○くんじゃなくって。



「ほな、一千万円耳をそろえて用意しましたねん。確認してや」

 いままでの人生で見たことのない帯封つきの札束が10個。確かに一千万円だ。

「利息は、そやな。トイチや」

 まあやっぱり
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