第33話 ヴァレリア湖での休息
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たら自分の過去が原因で彼女を傷つけてしまうんじゃないかって不安なんだろう。
「ヨシュアさん、俺はヨシュアさんに上手い言葉をかけることが出来ません。だって俺はヨシュアさんじゃないですから少しの共感はできても100%理解はできないでしょう。だからヨシュアさん、あなたはエステルさんを信じてください」
「エステルを……?」
「はい。エステルさんはヨシュアさんの事を大切な家族だって思っています、だから例えヨシュアさんの過去が人には言えないものだったとしてもエステルさんは絶対に受け入れてくれます」
「……そうだね、こんな風にウジウジしていたら僕を信じてくれるエステルに失礼だよね」
「まあ好きな女の子に嫌われたくないっていうヨシュアさんの気持ちも理解できなくはないですけどね」
「うえっ!?」
ヨシュアさんは珍しく狼狽えて座っていた椅子から転げ落ちた。
「リ、リート君?一体何を……」
「違うんですか?だって自分の過去が悪いものじゃないかって思うのはエステルさんに悪い印象を持たれたらどうしようって事だからですよね?それに普段からエステルさんには他の人には向けない優しい眼差しで見てますし気が付く人は皆知ってると思いますよ?まあエステルさんだけは知らないでしょうけど……」
「そ、そうだったんだ……あの、このことはエステルには……」
「勿論言いませんよ、男なら自分から告白したいですもんね」
「はは……」
ヨシュアさんは苦笑いをすると椅子に座り直した。
「不思議だね、こんなことを話したのは君が初めてだよ。年が近い同性がいなかったって言うのもあるけどリート君には不思議と近親感が湧くんだ」
「俺もなんでかヨシュアさんには初めて会った気がしないんですよね……」
「そうだね、こんなに楽しい気持ちは初めてだよ。こういう会話も楽しいものなんだね」
「じゃあもっと教えてくださいよ、エステルさんのどんなところが好きとかあるでしょう?」
「そ、それは勘弁して……」
俺は意地悪な笑みを浮かべてヨシュアさんと他愛無い話を続けた。
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ヨシュアさんとの話を終えた後、俺は貸し竿を返してから部屋に戻ろうとしたがシェラザードさんに呼び止められた。
「あら、リート君。もしかして今暇かしら?暇だったら私の話し相手になってほしいんだけど駄目?」
「話くらいなら別に構いませんが……それにしても凄い量の酒瓶ですね」
シェラザードさんが座っていた席には大量の酒瓶が置いてあった。しかし凄い量だな、団長もここまで飲まないぞ……
「そういえばオリビエさんは一緒じゃないんですか?なんか一緒に飲むとか言ってましたが……」
「オリビエな
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