122 抗争(たたかい)
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なってくれたら彼女をボコボコにしやすくなるし、スパイのような役割を担ってくれるかもしれないと二人は希望に満ちた。
「アァ・・・!?わりィけどよォ、オレは気に食わねェヤツは目の前でしばくようにしてンだ。テメェらみてェな事はする気ねェンだよ!!」
平井は指をボキボキ鳴らした。
「テメェらのやってる方がよォ、ムカつくンだよ!!」
新林と榎像は嫌な予感がした。その場から逃げようとしたが、間に合わず、二人共顔に物凄いパンチを喰らってしまった。平井は殴った後、二人を放置してそのまま帰った。
堀は倉山と保谷、矢部、桐畑、滝頭、笠間と集団下校した。
「ごめんね、いつも付き合わせて」
「いいんだよ、ただ今日は泉野に昇降口の監視をやらせているから俺が家まで送る形になってしまうがね」
「いいのよ、倉山君は本当に学級委員らしく行動してくれてありがたいわ」
「あ、ああ・・・」
倉山は少し照れた。確かに学級委員としてのプライドが高いというわけではないが、クラスの為に尽くさなければという責任感はあった。彼は以前クラスに馴染め出した頃のみどりと社会科実習で一緒の班になった時も、彼女の手助けをしていた。堀に会うまでの彼女なら些細な事で泣くので放置していたかもしれないが・・・。
他のクラスメイトとも別れ、堀と倉山は堀の家に着いた。
「ありがとう。さようなら」
「ああ、じゃあな」
倉山は帰って行った。
みどりは電話で親に遅くなると告げたのち、教室に急いで帰った。
「異常はございませんか?」
「大丈夫だよ」
三境は答えた。
「しかし、心配ですね・・・」
「ああ、小倉達もまだ残ってるんだろうな・・・」
その時、二人は何かの視線を感じた。振り向くとそこには阪手がいた。
「何か用ですか?」
「は?あるわけないじゃん!!」
阪手がうっとおしそうに答えた。
「悪いけど堀さんのいない所で悪戯なんてそんな卑怯な事させませんよ!」
みどりは釘を刺そうとした。
「皆もゆがやったって証拠あんの?」
「ありませんけど、堀さんの事悪く言ってんじゃないですか!」
「うるさいな!!」
「どっか行ってください!」
「どうしようかもゆの勝手でしょ!」
みどりと阪手は睨み合った。三境も阪手を睨む。
「この教室には入れないぞ」
その時、阪手の後ろから男子の声がかかる。
「おい、阪手。ふざけたマネはやめろ」
「は!?うるさい!お前は黙れ!」
阪手に声をかけたのは彼女と同じ2組の豊崎大貴だった。
「黙って欲しけりゃバカなことはやめるんだな」
「うるさい!」
「じゃあ、その場から離れろ」
「うるさい!」
その時、豊崎が阪手の服の襟と左腕を掴んで引っ張った。そして、3組の教室の出入り口から遠ざけるように
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