第五十五話
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た。何やら書類を抱えていた。
「…………ラブコメの邪魔をしないように待ってるとこ。」
あんなにイチャイチャしてる奴等の所に入ってくるのは忍びなさすぎる。
「あー、確かに。」
提督はそう言うと、オレの隣の壁に寄りかかった。
「…………オレは、アイツのことが理解できなかった。」
オレは、ぽつりぽつりと話し始めた。
「あのとき、なんで立てたのか。なんで艤装が回復してたのか。なんで笑えたのか…………理解できなかった。」
千尋だけじゃない。レ級に関しても、何がしたいのか分からない。
理解できないことだらけだ。
「んー、前二つには即答できるね。『始祖』の息子だからだよ。」
…………やっぱり、アイツは人外だった。
「明石と話したんだけどね。恐らく千尋の特徴は、『自動修復』だね。ある程度の艤装ダメージだったら勝手に回復できるらしい。」
それは…………反則じゃないか?
オレは提督の言葉を自分の中で何回も噛み砕いて、理解しようとしていた。
「多分、千尋は今回が初めての大破だからね…………それで発動したんだろう。」
「…………おう。」
百歩譲って、そこは認めよう。
「笑ってたのは、多分…………春雨と同じ存在になれたとでも、思ったんじゃないかな?」
…………それは、予想外の答えだった。
「アイツ、春雨の事を好いてるからね…………味方になれると思ったら、嬉しかったんじゃないかな。」
最早、ポカンとするしか無かった。
色恋沙汰に全く興味の無かったオレからすれば、どんな感覚なのか分からない。
「…………分かんねぇよ。」
「そうかい。まぁそれは、いつか分かるかもしれないし、分からないかもしれない。」
理解しようとしなくてもいいと提督は言うと、その場から立ち去って行った。
「…………んなもん、分かんねぇよ。」
オレは再びそう呟くと、その場にうずくまった。
どうしようも、できない気がした。
―数日後―
「…………義手ってここまで性能上がってたんだな。」
俺は左腕に付けられた俺の新しい左腕を動かしていた。
明石さんはその様子を見て満足気な顔をしていた。
「あったり前よ!私が丹精込めて作ったんだから!」
義手となった左腕は、自由に動かせるのだが、感覚は全くない。慣れるのには時間がかかりそうだ。
「さてと、それじゃあ執務室に行って来ますね。なんか、俺と春雨と夕立が呼び出されてたんだよ。」
俺は明石さんにそ
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