暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第五十五話
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

 
 
「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカッ!!」
 
俺は春雨にマウントポジションを取られ、何もできない状況で胸倉を掴まれ、ただひたすらバカと言われていた。
 
…………おぉ、なんだろうかこの背徳感。春雨に対して色々やらかしすぎて、どれに対する背徳感か分からねぇ。
 
春雨との勉強の約束破ったり。
 
ボロボロになったり。左腕落としたり。
 
レ級とキスしたり。
 
散々だ。
 
バカと言われても仕方ないかもしれない。
 
「…………よぉ、春雨。勉強に付き合えなくてすまんかったな。」
 
俺はとりあえず、一番謝りたかったことを口に出した。とりあえず、ここからだ。
 
「……ッ!バカッ!そんなこと…………今はいいんですよ!」
 
春雨は、そう言うと、俺の左肩を触った。
 
「あなたの…………左腕っ、がっ…………〜っ!!」
 
春雨はそこまで言うと、ボロボロと泣き出してしまった。流した涙は俺の頬に落ちていった。
 
…………俺は幸せ者だなと、頭のどこかで考えていた。
 
泣いてくれる人が居るんだから。
 
「…………仕方ないと言えば、仕方ないさ。提督が義手を用意してくれるらしいし、さ。」
 
兎に角、心配してくれてありがとう。
 
そして、心配かけてごめん。
 
俺はそう呟くと、春雨の頭を撫でた。サラサラした、綺麗な髪の毛だった。
 
「…………こちら、こそ…………守ってくれてっ…………ありがとう、ございます…………。」
 
春雨はそう言うと、寝転んでいる俺に抱きついてきた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「生きて……帰ってきてくれて…………ありがとう…………ございます…………!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あぁ、俺は一生をかけて、この子を幸せにしなきゃと思った。
 
「……ひっぐ…………ぐすっ…………。」
 
俺はそのまま泣いている春雨の背中に右腕を回した。片腕しかないのが、初めてもどかしいと思った。
 
「どうってことないさ。」
 
俺は春雨が泣き止むまで、ずっとその状態でいた。
 
…………幸せと思う反面、覚悟も決まった。
 
絶対、この戦いを終わらせてやる。
 
絶対、春雨に普通の女の子になってもらうんだ。
 
か弱い少女を抱き締めながら、人知れず覚悟を決めた。
 
 
 
 
 
 
 
―医務室の外―
 
 
 
 
 
 
「…………木曾、何してるんだい?」
 
オレが医務室の前で立ち尽くしていると、提督がやって来
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ