121 防衛
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下駄箱が襲われる可能性があるためかなり速やかに移動した。
「誰も来なかったか?」
「ああ、何とかなったよ」
「よし、すまないな。こんな事させてもらって」
「でも、誰がやったか見当がつくのかい?」
茅原が聞いた。
「おおよそはついている。落書きや体操着は誰がやったかはまだ分かんないが1組の小倉や熊谷は堀が気に食わない事は聞いているし、4組の栄張も堀に挨拶の代わりという理由で殴っていた。とにかく明日は別の奴を監視につかせるよ」
「うん」
倉山と栗木、茅原は下校した。
他の皆とは別れ、堀はみどりと家が近い泉野によって家まで送られた。
「吉川さん、泉野君、私のためにありがとう・・・」
「いいんだよ。明日も登校中に何されるかわかんないだろうし迎えに行くよ」
「私も行きます!」
「うん、じゃあね・・・」
堀が家に入ると、みどりと泉野はそれぞれの家へと帰った。
堀はいじめは辛いがクラスの皆が自分のために行動してくれているので孤独は感じなかった。堀は机の引き出しを開け、前に藤木が中部大会で金賞を獲ったと書かれてある手紙を取り出した。その手紙の「今度またいつか一緒にスケートしに行けたらいいね。」という文章を読み、急に藤木に会いたくなった。
(藤木君、私また貴方に会いたい・・・)
藤木は学校が違うが好きな男子だ。確かに彼には笹山という女子が好きである事、みどりも彼に想いを寄せている事は分かっている。しかし、文通はしているが、藤木とは地区大会以来、直接顔を合わせていない。みどりが時々会っていたようだが。堀は思いきって藤木に手紙を書く事を決心した。
藤木君
元気にしていますか。私また藤木君に会いたくなったの。今週か来週にでも一緒にスケートしに行きたいけどいつなら都合がいいかしら。電話か手紙で返事待っています。
堀
堀は家を出て藤木宛の手紙をポストに投函した。
翌日、みどりは堀を迎えに彼女の家へと向かった。
(堀さん・・・、お願いです。私が必死に守りますからどうか不登校にならないで下さい・・・)
堀の家の門に到着すると、既に泉野が堀を迎えに来ていた。
「あ、泉野さん」
「ああ、吉川。君も来たのか」
「はい、私も堀さんが心配で・・・」
すぐに堀が現れた。
「お待たせ。あ、吉川さん、おはよう」
「おはようございます」
「それじゃ、行こうか」
三人は出発した。途中、みどりは堀に話しかける。
「あの、堀さん・・・」
「何?」
「私達が必死で守りますので不登校にならないで下さい!私は堀さんがいないとやっぱり寂しいんです!!」
「ありがとう、私も負けないわ!」
「そのほうがいいな。あいつらは堀が学校に来なくなるのを望んでいるみたいなんだ。このいじめを終わらせない
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