銀河動乱
主席の涙
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標が捩れている。
4次元時空連続体破壊装置《ディスラプター》を盗み、使った馬鹿が居るのかもしれん。
例の二人組を逃がしてはならん、次元跳航に入るぞ」
銀河連合主席も信を置く惑星改造業者、クラッシャー・ダンの推測は侮れない。
李酔竜との模擬戦は事件相談員の養成学校、講師達に語り継がれている。
「ほっといたら、本当に宇宙が滅ぶかもしれねぇな。
ノグロス宇宙軍の反乱を捻じ伏せ、ついでに、死の星《デス・スター》にしちまう連中ですからね」
タロスの冗談《ジョーク》に応え、バードとガンビーノもニヤリと笑う。
爆笑の傍で手慣れた操作《オペレーション》は澱み無く進み、準備完了《スタンバイ》が点灯。
次元座標を時空転移装置に打ち込み、相対位置を確認。
アトラスは軽快に身を翻し、小型迎撃機の編隊を無視して姿を消した。
「多次元レーダー、反応を確認。
クラッシャーのお船、アトラスに相当する質量だね。
星間共通信号、『貴船に愛天使《ラブリーエンゼル》の御加護あれ』を送信するわ。
ダンなら、すぐ返事を寄越す筈よ」
こらこら、勝手に決めるんじゃない。
船長はあたしだ、許可を取ってから行動するよーに。
文句を言う前に、御気楽女は超空間通信波《ハイパー・ウェーブ》を発信。
レーザー通信で針の様に受信可能範囲を絞り、盗聴を防ぐ配慮は完璧に無視している。
たくもう、鋼の無神経!
他に聞き耳立ててる連中が居たら、どーすんのよ!!
頭《たま》に来て、怒鳴ろーとしたんだけど。
間髪入れず、受信装置《レシーバー》が鳴る。
激怒《ヒス》る時機《タイミング》を完璧に外され、あたしは声を呑み込んだ。
「星間共通信号、『神も仏も在るものか』。
通信を切れ、直ちに合流する」
ふざけた星間共通信号《コール・サイン》を考えたのは、タロスだ。
クラッシャーの連中以外に、こんな返事を考え付く奴は大宇宙に存在しない(たぶん)。
簡潔で味も素っ気も無い通信文は、ダンの考案だろう。
おじ様は、何時だって真剣《マジ》なんだ。
「あいつらって結構、律儀なのよね。
口が悪いのは玉に瑕だげど操縦士も長身、まあまあ美形だし。
おじ様は渋くて頼り甲斐があるし、荒事に強い有能な奴隷も大歓迎よ」
そこまで言うか、この阿呆女。
まぁ、アトラスに聞こえるよーな大声じゃないから良いんだけど。
後で操縦席の録音装置《レコーダー》を取り外せば、強請のネタになるかな?
クラッシャーに寝顔を見せるって脅し、確かに効いたかんね(海の惑星ドルロイ、だっけ?)。
『ダンに聞かせてあげよっか?』って優雅に微笑み、引き攣る顔を見物してやるわ。
宣告どおり、四次元時空連続体に万能タイプ
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