第九幕その三
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「滅多に観ることの出来ない」
「そうした蛇なの」
「そうなんです」
実際にというのです。
「凄く稀少なんですよ、それに」
「それに?」
「アマメノクロウサギやヤンガバルクイナやイリオモテヤマネコも」
そうした生きもの達も見てドロシーにお話します。
「凄く珍しいんです」
「そうだったのね」
「滅多に出会えないのに」
それでもというのです。
「会えるなんて」
「オズの国ならではね」
「そうですよね」
「滅多に出会えない出会いがあるのもね」
「オズの国ですよね」
「だからね」
それでというのです。
「こうしたこともあるのよ」
「そうですか」
「そう、あとね」
「あと?」
「あの猫ちゃんがイリオモテヤマネコよね」
そのヤマネコを指差してドロシーに尋ねます。
「そうよね」
「はい、おそらく」
「もう一種類いるけれど」
イリオモテヤメネコと大きさや毛並みの感じが少し違うヤマネコがです。
「あのヤマネコは一体」
「まさか」
恵梨香はそのヤマネコを見て驚いて言いました。
「あの、噂ですよ」
「外の世界での?」
「はい、イリオモテヤマネコは西表島にしかいないんです」
「だからイリオモテヤマネコね」
「はい、ですがあの島にはもう一種類いるって言われてるんです」
「ヤマネコが?」
「そう言われていまして」
それでというのです。
「まさか」
「あのヤマネコがなの」
「そうじゃないでしょうか」
こう言うのでした。
「確かイリオモテヤマネコがピンギマヤーで」
「そちらではそう呼ばれているの」
「ヤマピカリャーっていうらしいんですが」
「あのヤマネコは」
「そうじゃないでしょうか」
「そうよ」
そのヤマネコも言ってきました。
「私がね」
「ヤマピカリャーなの」
「そうなのよ」
恵梨香に笑顔で答えます。
「ピンギマヤーとは別の種類よ」
「同じヤマネコでも」
「また違うのよ」
「そうなのね」
「まだはっきりいるかどうかわからない生きものもね」
ドロシーが恵梨香にまた言います。
「オズの国にはいるから」
「それで、ですか」
「ヤマピカリャーもいるのよ、ただね」
「ただ?」
「ヤマピカリャーは見付かっていないだけで」
外の世界ではというのです。
「いるわね」
「西表島に」
「そう、だからね」
「外の世界でもですか」
「絶対に何時か見付かるわ」
「そうなって欲しいですね」
恵梨香は心からこう思いました。
「是非」
「本当にそうよね」
「小さな島みたいですが」
それでもというのです。
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