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とある3年4組の卑怯者
119 復讐
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かんねえな!ウエッ、ムカつくぜ!なあ、熊谷、あの女ボコボコにすっか!!」
「ああ、そうだな、あんなヤツ!」
 その時、一人の女子がその場を通りかかった。どうやら二人の話を聞いていたようだ。
「あれ、アンタ達堀の話してんの?」
「ウエッ?おめえ2組の阪手(さかて)じゃねえか」
 2組の阪手(さかて)もゆ。彼女も堀を快く思わない者の一人だった。
「もゆもアイツなんかムカつくんだよね。可愛いからって図に乗っちゃってさ・・・。しかも、あんな泣き虫とよく友達になれるなんて普通じゃないっしょ」
「おまえ自分が可愛くないからって恨んでんのか?」
「うるさいな。とにかくあんなのも吉川みたいにうざったくなるよ。とっとと転校前の学校に戻っちまえってのに」
「ああ、そうだな、マジで消すか」
「ウエッ?できんのか?」
「できなくねえぜ。お前らこないだのあの事件覚えてっか?昔町内会長やってたヤツの息子が嫌いなヤツの家族潰そうとしてた事件。結局失敗に終わったがその嫌いなヤツの息子を病院送りにしたんだぜ。あと協力してた女子も殺しかけたんだ。やればできるぜ」
 熊谷はその事件をテレビで見た事があった。戦時中にとある町で町内会長をやっていた各務田会蔵という男の息子の各務田出吉という男が暴力団と手を組んで因縁のあった人物の家族を抹殺しようとした事件である。その事件以降、清水市内の治安悪化が懸念されるようになり、市内のみならず、静岡県警の警察官達も出向し、異変がないか各町内を徘徊するようになっていた。
「ウエッ、おもしれえじゃねえか」
「それにそいつは集団で攻撃しようとしてたから他にムカついてるヤツ集めたほうがいいな」
「うん、そうしよう」


 みどりや堀のクラスメイトである泉野はこの日は日直の為早めに登校していた。今日は一番乗りで教室に入ったのだった。彼の席は堀の前である。後ろの戸から入った泉野は早速自分の机にランドセルを置いて教材を机の中にしまおうとしたのだが、その前に堀の机の上に目が止まった。
(っておい、何だよこれ!?)
 泉野が見たものは落書きだった。それを見て泉野は体が震え、動けなくなっていた。少しして、倉山がその場に入った。
「よお、おはよう、泉野。ん、どうかしたのか?」
「あ、倉山君。大変なんだ。これを見て欲しいんだ・・・」
「ん?堀の机か。どうかしたのか?」
 倉山は堀の机の落書きを見ていた。
「だ、誰がこんな事を・・・」
「ぼ、僕は違うよ。本当に僕が入って来た時からされていたんだ!」
「わかった。しかし、これを堀が見たら・・・」
 泉野と倉山は困惑した。そして次々とクラスメイトが入ってくる。皆はその落書きに注目した。

 みどりは登校中、堀を見つけると声を掛けた。
「堀さん、おはようございます!」
「あ、吉川さ
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