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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第24話
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、ペテレーネ神官長個人はともかく、メンフィル建国時より協力関係を結んでいた混沌の女神(アーライナ)教にも”メンフィルが光と闇の共存を理想として掲げている事”に対して疑問を抱かれる可能性も考えられます。」

「それは…………」

「光と闇―――相反する存在の”共存”を謳っているからこそ、異世界では”光”と、”闇”、それぞれの勢力に”宗教”があるメンフィルは宗教関係でどちらかの肩入れはできないって事か。」

レンとステラの推測を聞いたラウラは複雑そうな表情をし、フィーは静かな表情で呟いた。

「………それと”贖罪”をエレボニアが実行するつもりがない事に気づいたリベールや七耀教会のエレボニアとの関係を悪化させてエレボニアを孤立させる事で、エレボニアがメンフィル、もしくはクロスベルとの戦争に敗戦して滅亡の危機に陥った際、エレボニアの懇願に応えてエレボニアを存続させる為のリベールや七耀教会の仲裁の意志を無くす事も含まれているのでしょう?」

「あ………」

「確かにエレボニアの皇女が自分達が崇め続けている”空の女神”自身と約束をしたって言うのに、それを破れば七耀教会は当然エレボニアが再び滅亡の危機に陥っても和解条約や西ゼムリア同盟の時のようにエレボニアに味方しないだろうし、幾らオリヴァルト皇子と親交があり、慈悲深いアリシア女王やクローディア王太女とは言え、王国政府やリベールの民達の”贖罪”を実行しないエレボニアに対する感情を考えればエレボニアの味方はし辛いだろうな。」

リィンの推測を聞いたエリオットは呆けた声を出し、フォルデは疲れた表情で呟き

「……そして、エレボニア皇族――――それも帝位継承権を持つ自分がエレボニアを代表して”空の女神”に誓った”贖罪”すらも実行しない事を決めたエレボニア帝国政府やユーゲント皇帝陛下に失望したアルフィン自身のエレボニアに対する”想い”を断ち切る事で、エレボニアの帝位継承権を持つアルフィンがいつか起こるかもしれないメンフィル・クロスベル連合とエレボニアとの戦争によって敗戦したエレボニアの統治者に選ばれ、エレボニアへの想いを断ち切ったアルフィン自身がその決定に従って受け入れる意志を作る為………――――違いますか?」

「それは………」

更なるリィンの推測を聞いたラウラは複雑そうな表情をした。

「へえ?”そこまで気づく”なんて、驚いたわ♪リィンお兄さんの予想外の成長の早さに、一日でも早くレン達をお役御免にして欲しい臨時クロイツェン統括領主の一人として、嬉しい誤算だわ♪」

一方レンは意味ありげな笑みを浮かべてリィンを見つめ、リィンの推測を肯定したレンの答えにエリオット達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「ったく、案の定ロクでもねぇ事を考えていやがったようだな……」

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