第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「どっちも使える」
「けどポジションは一つです」
「キャッチャーは一人です」
「どっちか控えにするしかないです」
「それしかないですが」
「そこが悩みや、まあ時々どっちかファーストにしたり出来るし指名打者が出来たからそれに入れてもええけどな」
残った方をというのだ。
「正直悩むわ、わしも」
「梨田にするか有田にするか」
「それですね」
「ほんまにどっちをメインにするか」
「困りますね」
「ああ、どうしたものやろな」
コーチ達にこう言いつつ悩んでいる西本だった、そう思いつつ練習を見て試合でも見ているがどっちを使ってもだった。
それぞれいい部分があり正捕手はどちらにするのか困った、だがある時西本は有田のリードを見て言った。
「わし思ったけどな」
「はい、有田についてですか」
「そうですか」
「そや、あいつはスズと組ませるか」
チームのエースである鈴木啓二、彼とというのだ。
「そうしてみるか」
「スズとバッテリー組ませてですか」
「そうしてやっていきますか」
「それで他のピッチャーの時は梨田や」
彼を使うというのだ、その時は。
「そうしてくわ」
「あれっ、スズに有田ですか」
「梨田やなくて」
「気の強い者同士組ませますか」
「そうしますか」
「実はスズが言うたらしい」
西本は意外といった顔になったコーチ達にその鈴木の話をした。
「梨田と組んでると燃えんらしいんや」
「燃えへんのですか」
「つまり力が入らんのですか」
「気合が入らんのですか」
「そうらしい、梨田はピッチャーが打たれたらピッチャーを庇う」
自分のリードが悪かったと言うのだ、梨田の場合は。
「有田はちゃうやろ」
「自分のリードに従わんで打たれたらそのまま言いますね」
「自分のリードが正しかったと」
「有田はそこははっきりしてますね」
「ほんま言いますわ」
「そやろ、そやからな」
それでというのだ。
「スズもそれで腹立つらしいんや」
「スズもそれで言われてましたね」
「有田から監督に」
「それで、ですか」
「スズも腹が立ってですか」
「何でも有田のミット見てると燃え上がるらしい」
そうして力を発揮出来るというのだ。
「それでどんどん投げられるらしいからな」
「それで、ですか」
「スズには有田ですか」
「それで他のピッチャーには梨田」
「二人併用でいきますか」
「そうしてこうかって思うてる」
西本はまたコーチ達に答えた。
「わしはな、勿論二人の調子も見てな」
「調子のええ方を使う」
「そうもしていきますか」
「バッティングやリードの調子も見て」
「そうしていきますか」
「そうしてくわ、ほなどっちもメインでいくで」
梨田も有田もというのだ、こうしてだった。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除