第二章
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ロレンツォは実際にカテリーナと離婚した、そうして別々に暮らす様になった。だがだった。
家を出てかつて住んでいた家から離れて一人で住みだしたカテリーナはよくロレンツォの家に行った、そして別れた彼とよく話してだった。
共に喫茶店に行ったりスポーツ観戦もする様になった、その彼女とロレンツォを見てだった。
ジェンマはいぶかしんでだ、ロレンツォの店に行って彼に尋ねた。
「君とカテリーナさんのことだけれど」
「別れた妻とのことだね」
「そう、別れたね」
「そうだよ」
その通りだとだ、ロレンツォは商品の宝石達が奇麗にショーケースの中に収められた店の中でジェンマに答えた。
「実際にね」
「そうだね、しかし」
「言いたいことはわかっているよ」
既にと返したロレンツォだった。
「それで何故よく一緒にいるのか」
「仲は悪くないんだね」
「ないよ」
はっきりとした返事だった。
「むしろね」
「いいと言っていいね」
「彼女は僕のよき友人の一人だよ」
実際に笑って言った。
「そして助言者でもあるよ」
「それだけの存在だね」
「今はね」
「離婚したのにかい?」
世間で思われる決定的な破局の中でも最も有名なことを経たのにとだ、ジェンマは言った。
「それでもかい?」
「そうだよ」
「何でまた」
「そもそも性格が合わなくなってだったね」
離婚の理由からだ、ロレンツォはジェンマに話した。幸い店に今は客は来ていないので長く話せた。
「そうだったね」
「喧嘩もせずに、別れたんだったね」
「そう、喧嘩をしなかったこともよかったし」
所謂円満離婚だ、それもまたよかったというのだ。
「性格が合わないのも夫婦だと一緒にいるとね」
「どうしてもいつも顔を合わせるからね
「だから余計に気になる、けれど友達同士だと」
その関係だとどうなるかともだ、ロレンツォはジェンマに話した。
「まあそうしたところもあるってね」
「そう思うだけでだね」
「特に意識することもないから」
「いいんだね」
「そう、今夜は一緒に歌劇場に行くよ」
「スカラ座かい?」
ミラノが世界に誇るウィーン国立歌劇場と並ぶ歌劇場だ、実はロレンツォはこの歌劇場の常連の一人だ。
「そこに行くのかい?」
「そのつもりだよ」
「そうか、じゃあ存分に楽しんでくるといいよ」
「彼女と二人でね」
「表情が明るくなったね」
語るロレンツォの顔を見てだ、ジェンマは思った。実際に彼の顔は結婚していた時よりも明るい。
それでだ、また言ったのだった。
「君達は別れてかえってよかったんだね」
「そう、夫婦でいるよりも友人としてある方がいい場合もある」
「それが君達だね」
「そういうことになるね」
ロレンツォは笑顔のままだった、そしてそ
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