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とある3年4組の卑怯者
116 転校前
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んです」
「え?」
「私、元々は泣き虫だったんです・・・。だから友達ができなかったんです」
 みどりは赤裸々に語り出した。
「堀さんが転校してきて、それで席が隣になって、それで私を堀さんの家に招待してくださって、それで友達になってくれて、泣き虫を治すと約束したんです。私は堀さんのお陰で変わる事ができたんです。要は私は堀さんから友達にしてもらったものなんです!」
(吉川さん・・・)
「そう、でも私も同じようなもんだよ。私も何らか挫けそうになった時、こずえによく助けて貰ったもん」
「そうなんですか?」
「うん、だから君もこずえと仲良くなったって事は自分を変える事ができたと思うよ」
 みどりはみきえの言葉で思い出した。確かに堀が己を支えた事でクラスメイト達と馴染めるようになった。社会科実習の時も自ら積極的に動こうとして同じ班の者から助けられた。そして、些細な事で泣く頻度も少なくなった。確かに堀がいなけれはま自分は泣き虫のままで学校の友達はできないままだっただろう。
「そうですよね、私、堀さんに会えて本当によかったです」
 堀もまた照れた。
「うん、そうだね。そうそう、他の友達も呼んどいたから後で皆で楽しもう!」
「うん、いいわね!」
「はい!楽しませて頂きます!」
 こうして皆はみきえが呼んだというその友達を待った。

 みきえが呼んだ友達が来た。みきえは玄関の方へ向かった。
「どんなお友達なんでしょうか?」
「フフッ、きっと吉川さんも仲良くなれるわよ」
 みきえが戻ってきた。女子が二人、男子が三人現れた。
「よう、堀、久し振りだな!」
「皆!」
 堀は友達との再会を喜びあった。
「そうだ、今日は転校先の友達を連れてきたの。吉川みどりさんよ」
「は、初めまして、吉川みどりと申します」
 堀に紹介されてみどりは自己紹介した。
「私のクラスメイトの大山さんに森田さん、柴木君、原川君、宮本君だよ」
「君、礼儀正しいね!それに敬語なんて」
 柴木がみどりの態度に驚いた。
「いえ、それが私のクセみたいなものです」
「そうだ、せっかく来たから皆でなんかやろうよ!トランプとかどうかな?」
「いいわね、やろう、吉川さん!」
「はい!」
 こうして皆でトランプを始めた。ババ抜きを始め、七並べや神経衰弱を行った。みどりは堀が始めて彼女の家へ招待された事を思い出していた。あの時は負けるとすぐに泣いてしまった。しかし、堀の必死の支えで泣くのを堪えるようになった。そして、そこに居合わせた堀他のクラスメイトとも友達になる事ができた。今は堀の旧友とこうして遊びを通して仲良くなれる事に幸せに感じていた。そろそろ帰る時間になった。
「私はもう帰る時間になっちゃったわ。皆本当にありがとう。また来るわね」
「皆さん、今日は遊んでい
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