第四章
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二人はこの日は同じシフトだったので夜に一緒に店にいた、この日は及川はオフなので調理場にいなかった。
そしてだ、いつもの時間にだった。
またあの老婆が来た、すると老婆は注文を聞きに来た紗季にいつもの日本酒とつまみに冷奴を注文してだった。
今日も飲みはじめた、万里花は調理場の前に戻って紗季に話した。
「今日もね」
「来たわね、あのお客さん」
「いつも通りの服装でね」
「日本酒注文したわね」
「今日のおつまみは冷奴だったけれど」
「飲むのはね」
それはだった。
「日本酒ね、それにね」
「やっぱり今日もね」
紗季も見ていてこのことはわかっていた。
「着物で編み笠と草履で」
「足袋もね」
「あと白粉もね」
これもだった。
「塗ってるわね」
「いい匂いもしたから」
白粉のそれがとだ、万里花は紗季に話した。
「今日もね」
「何かいつも同じ格好よね」
「そうよね」
「このことも変わった人よね」
「どうもね」
こうしたことを話していた、そして。
二人はその老婆が何者なのかと考えていた、するとそこにだ。
及川が店に来た、二人は派手なコンゴのサプールの様にスーツとステッキと帽子それにサングラスで決めてステップを踏みみたいに歩いて店に入ってきた彼を見てまずは冷めた目になった。そうしてまずは万里花が言った。
「あいつ何を目指してるのかしら」
「お洒落かしら」
「あれ確かサプールよね」
「そうよね、コンゴのね」
「前に難波の大丸で紹介してたけれど」
万里花は冷めた目で見て言った。
「それよね」
「あのスーツとかよく見たらユニクロじゃない」
本来のサプールは高級なファッションである。
「何ちゃってサプールね」
「何やってるのよ、あいつ」
「元から賢くなかったけれど」
「余計に馬鹿になったのね」
「そうかもね」
二人でこう話してだ、そのうえで。
万里花が客席に座った及川のところに行って注文を聞いたが万里花は彼にしっかりと聞くことも忘れなかった。
「何、そのファッション」
「サプールだよ」
自分でも言う及川だった。
「ラブアンドピースのな」
「あんた平和主義者だったの」
「喧嘩嫌いだろ、俺」
その独特のファッションで言う彼だった。
「それでだよ」
「そのファッションに目覚めたの」
「ああ、ユニクロに行ってな」
「一式買って」
「このファッションだよ、それで今日はな」
「今日は?」
「ちょっと店の新メニュー食いに来たんだよ」
それで来たとだ、及川は万里花に答えた。
「それでな」
「ああ、パフェね」
「それで来たんだよ」
こう万里花に話した。
「そうだよ」
「そうなのね」
「最近の外出着を着てな」
そのサプールをというのだ
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