第3章 リーザス陥落
第104話 魔王ジル
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バカがこんなトコで負ける訳無いだろ(意訳)』と逆に説教をしていたのにも関わらず、有ろう事かユーリが負けたかもしれない、と言うニュアンスの言葉を口にした。
そう思っても仕方ない程の気配がし出したから。
今までのヘルマン側の敵……そして、魔人とはくらべものにならない気配を。
「何かヤな予感もするぞ。魔人だか、横取りしに来た馬鹿か知らんが、さっさと抜いてしまおう。どーせ、災いなんてもの、盗人よけのホラかなんかだろ。……」
ランスは、ずんずんと奥へ進み、がんじらがらめになってる剣の柄を握りしめた。
「ど……りゃあああ!」
掴んでみると、大きな黒い剣は見た目の割に重くは無かった。
気合を入れて引っこ抜こうとしたのだが、空回りをしてしまいかけた程だ。絡まりに絡まってる鎖があると言うのに、あっさりと抜けてしまった。
「きゃーっ! やった! さすがダーリンっ!」
「ほほう。思ったより軽いな。柄の所の顔みたいなのが気持ち悪いが、それ以外は馴染む感じだ」
剣を抜き、気が抜けた所もきっとある筈だ。
シィルもランスが抜いたのを確認して、ほっと息を吐いていた。マリスも同じだ。見えない所で安堵している様に肩を落とした。
魔人に対抗する武器、カオスが目的でもあった。
そのゴールへと到着。確かにここから魔人を倒すと言う最後の仕事が残っているが、カオスに加えて、解放軍の強さを合わせて光明が見えてきたと強く思えた。
だからこそ――。
「………カオス、千年ぶりか………」
背後に迫る巨漢の魔人に気付くのが遅れてしまった。
「うお!? 何だいきなり! 誰だ貴様」
「魔人、ノス」
言葉を発すると同時に、現れたノスの周囲の空間が赤く染まった。
「ちっ、やべ……!」
「きゃああああっ!?」
「ひぃっ!」
「リア様っ!!」
反射的に全員が伏せた。
その次の瞬間、強烈な爆発が頭上の空間を薙ぎ払い、その余波で全員が吹き飛ばされてしまった。
「ぐ、ぐぐ、なんだこの化けモン! 丁度良い、試し切りをしてやる! これでもくらえこらーーーー!!」
「む………」
吹き飛ばされたが、直撃こそはしていない為、直ぐに体勢を整え直す事が出来たランスは跳躍し、力のままに剣を振り下ろした。斬る…… と言うより叩きつける勢いで放った一撃は、それを防ごうとかざした腕に傷を作った。
「斬れた……!」
「魔人の結界を抜けました……」
魔人の無敵結界の存在を知っている面々は声を上げた。カオスが唯一無二と言う所以が理解出来た瞬間でもあった。
「ちっ、硬い腕だ……!」
「……ほう、なるほど。確かに斬れるのだな。ヤツの、忌まわしき剣めが…
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