第3章 リーザス陥落
第104話 魔王ジル
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りますが、今はこの力を頼るほかありません」
「………ぅぅ。ランス様、怖いです……」
「バカ者。こいつがあれば 魔人をどうにかできるんだろ。奴ら以上の災いなんぞ 今のリーザスにあるのか?」
「そうよそうよ! ダーリンがカオスを手にしたらもう最強を通り越しちゃうわっ! って、いつまでダーリンに引っ付いてんのよ。奴隷が!」
「う、うぅ、で、でも……」
「だーーっ! こんな時まで喧嘩するな! 鬱陶しい!」
カオスに加えてリアの嫉妬と言う視線を向けられ、更に萎縮しそうになるシィルだったが、ランスが一喝してくれたので、何とか場は収まった様だ。
「それにオレ様が楽になるとは言え、ひっじょーに不本意ながら、下僕のユーリの方が目立ってきている。それを食い止める為にも、ここは一発オレ様が格好良く使いこなし、魔人どもをぶっ殺す。今はそれに尽きるだろ!」
「そーよそーよーっ! ダーリンがカオス抜いて、魔人をやっつけたら ユーリさんだって目の色変えちゃうわ。『やっぱ ランスには敵わないな……』って感じにねー!」
「がははは。それは当然。オレ様が強いのは世界が生まれた時から決まっているのだ! それに あくまで下僕だからな。ユーリのヤツは!!」
がはは、と機嫌よく笑っているランスを見るマリス。
リアもランス中心に物事を考えてはいるのだが、ユーリ関連の話題が出ると そこには狡猾且つ、打算的な思考にも早変わりする。
ユーリの強さ、その破格さは リアも認めている。ランスとはまた違った次元の強さを持つ事も。ユーリが正統派だとすれば、ランスはダークホース。そこに惹かれた……と言う面もリアにはあるが、出来る事ならユーリもリーザスに抱き込んでおきたいと考えている。
「(……流石ですリア様)」
その意図を瞬時に理解したマリスは 軽く頷いた。目と目が合い、互いに微笑む。
マリスも喜び、かなみも喜び、リーザスでも彼を慕う人は多い。触発される、と言う事で軍部のトップも更に向上心を持つ。……今の所は良いことづくめだ。
と話が脱線しそうになっていたその時だ。
“ず んっ!”
と急になにかでかいものが落ちてきた音、そして それに次いで誰かの足音がこの場に響き出したのは。重厚な何か…… これまでに感じた事のない気配だった。
「……なんだ!」
「何か来ます。……リア様、お下がりください」
「て、敵でしょうか……、ランス様」
「さぁ……。ちっ ユーリのヤツめ。ここに敵を通すとは何事だ! もし、アイツがヤられでもしてたら、その顔に『ボク ユーリ。童顔です』って落書きしてやる」
気配を感じ、一気に強張る面々。
毒は吐くものの、ユーリの実力は認めているランス。いつもいつも かなみ がユーリの事を心配する時、『あの戦闘
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